見た事も無いボスドラゴン……プラチナa
「出て行けっ!」
俺の部屋なのに当然の様に追い出される。
そうした訳で俺達は朝食も早々に早速カピパラノユイン市に出発した!
パカラッパカラッ
しばらく西に進んでカピパラノユイン市に到着した。
「こ、ここがカピパラノユイン市なのだっ!?」
「ファニーお忍びで何回も来てるでしょ」
「雰囲気作りなのだ」
「金のウロコの泉はこちらです。ユイン市の中でも東寄りでププッピ城から割と近いのですよ」
「うーんさすがネリスさん有能だな!」
「どうも」
俺達はそのまま泉まで進んだ。
ザッザザッザ
ー金のウロコの泉
うーむ、マリの街にこんな観光地があったなんて全然知らなかった。泉と言ってもそこそこの広さのある池の様だ。しかも早朝の冷えた空気の中で泉からもくもくと湯気の様に霧が立ちこめて来て、視界がだんだん悪くなって来たぞ!
「ここから池の周囲をぐるっと回れる木造の遊歩道になっています」
「ネリスさんも池って言ってるよ」
「?」
テクテク
木造で出来た遊歩道を歩くと、いよいよ霧か湯気で前が見えなくなって来る。
「ゆ、ユリナス手を繋ぐのだ」
ぎゅっ
ファニー王女の柔らかい手が。そういえば彼女とこんな感じでデートっぽい事したこと無かったよな。
「ファニー」
「な、何を考えておるのだ」
「では私も手を繋ぎましょう」
「いや何故?」
ぎゅっ
今度は反対の手をネリスさんと繋ぐ。彼女も美人は美人なのでそこそこ嬉しいかも。
「ユリナス、ネリスおぬしらどういうつもりぞ?」
「安全の為です」
「そうそう、敵が出て来るとアブナイ」
「苦しい言い訳だな!」
等といいつつ俺達は三人仲良く泉の周りを歩いた。
ギシッギシッ
「何も出ないのだっ」
「姫さま、油断しないで下さい。何か出ればユリナス殿を盾にする様に!」
「いや別にいいけど! 元よりそのつもりだし」
シューーッ
うっ先程までの自然現象の霧じゃ無くて、あきらかに人工的に白い煙がもくもくと出て来た。何かのモンスターか!?
「ネリスさんファニーをっ」
「はい!」
チャキッ
護衛騎士の彼女が剣と盾を構えてファニーをかばう。
「ユリナス全身銀化!」
シャキッ!
もはや仮面を省略して銀ピカの顔になった。
シュババッ!
俺が変身を叫んだ直後だった。何かがほとばしって、通り過ぎて行く。ヤバッファニー!?
どしゃっ!
「ぐはっ!」
「重いっ」
え?
気が付くといきなりネリスが倒れた。強い完全に油断していた! どうせ簡単に倒せる敵が出て来るとばかり思っていたが、全身銀化した後でも放たれた攻撃が目で見えなかった。今までそんな事は師匠くらいしか無かったのに……それまでのはしゃいだ雰囲気が一瞬で消えた。