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一か月!?


「して、その条件とはいかような物でしょうか」


 チラリ

 俺は体は土下座のまま王様の顔を見続けた。いい加減首が痛い。


「簡単なことじゃ、我が城ププッピ城に一か月滞在しフィアンセである我が娘と将来の事でも語り合えい。その為の見習い騎士の個室も与えよう。そなたが望んでおった事じゃぞ? 遂に願いが叶うのじゃよろこべい!」


「わははよろこべっ!」


 騎士部屋をくれるって……おそいよ! それマリの館に住む前後の話じゃないか!?

 もう何か月も前の話だぞ。しかし一か月か、一か月この城に滞在か。ううっちょうど今アルフレッドが建国したばっかりで、師匠が色々な献策をして俺が次々こなして行くつもりだったのに。俺がいなかったらどうなるんだろう……ゴブリン達反乱しないかな? いや師匠がいるから大丈夫か。


 いやいやむしろ俺がいない方が話が進んでたりして!? それで一か月後砦城に戻ったら『お前ダレ?』みたいな顔されたらどうしよう。師匠なんて完全にアルフレッドに取られてたりして。はぁはぁヤバイ、凄くあせって来たぞ。

 ツーッ

 再び俺の額に冷や汗がにじむ。


「そ、それは」

「どうしたのじゃ? 冷や汗をかく程の条件か?」

「わらわと暮らすのが嫌なのかっ」


 ごくり、困った。しかし一か月は長い。ここはハッキリと断りを入れるべきか? しかしそれだと同盟まで拒否される可能性が。


「そ、それはいささか、一か月は」

「そう処刑宣告された様な深刻な顔をするな、我が娘に失礼であるぞ!」


 ひっ

 そんな顔してるの俺?



「では一週間に短縮してやろうではないか。そなたも色々と忙しいのであろう」


 一週間か。それならなんとか。それでも長いけど……


「それで我が国と同盟を?」

「しつこいわ、一週間城におれば同盟を締結してやろうではないか。ただし貴様にはネリスを付けるゆえ、彼女の視線から一瞬でも離れては許さんぞ!」


 え、またネリスさん。


「わ~お久しぶりですユリナスさん! またぴったりご一緒出来ますねっ」

「ネリスさんもう無理しなくて良いんですよ……」


 キッ!

 笑顔だったネリスの顔が急に険しくなった。


「私も任務と思い鳥肌に耐えながら貴方の相手をしておるのです!」


 それ言っちゃダメ。しかし俺は土下座をし直した。


「分かりました! キッチリと一週間この城に滞在させて頂き、是非とも同盟を成立して頂きたく思います!!」


 平身低頭とはこの事だよ。これが宮務めの悲哀ってヤツか!?

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