愛すべきPT……
「これこれ、少年少女特有の感傷に浸るでない。そんな事ではこのPTは仲良しクラブのままで終わるぞよ?」
じいさん年取ってるだけに冷静だな!
「俺達の……俺達のPTは……仲良しクラブなんだっっ!!」
シィーン
「ぐすっアルフレッド良く言ってくれたわっ。そうよねユリナス!」
シャリィからもう君付けが消え呼び捨て。え、でも俺五分前に入ったばっかだし、そこまでまだこのPTに思い入れは無いし。
「……同じ気持ちですよね、ユリナスッ」
レミランまで!?
「な、なんかすいません、俺達仲良しクラブなんですエヘヘ」
俺は頭をかいた。
「良く言ってくれたよユリナス!」
「ふふっ若いのぅならば仕方あるまい、だが気が変わればいつでも声を掛けるが良いぞハハハハハ」
ふぅじいさん大人しく引き下がってくれたか。
「くっ」
途端にアルフレッドは涙を隠して上を向いた。目元にキラリと光る物が……
「アルフレッド?」
「すまん、実は内心俺は一瞬強くなりたいという誘惑に負け掛けた。君達と仲良しクラブを作るという目標を忘れかけた俺を叱ってくれっ!」
え、強くなっちゃダメなのっ本当に仲良しクラブが目標なの!?
「ううん、私達を選んでくれてありがとうアルフレッド!」
「うううっ」
涙ぐむ三人を見て分かった……ルウィナ達みたいに俺を騙す気なんて多分全く無い……
「アルフレッド、君達のPTに入れて本当に良かったよ」
「歓迎するよっうおーーーっ感動する!」
ガシッ
何故かアルフレッドに抱き締められて、じいさんのお陰でPTの絆が深まった?
「ユリナス貴方実は凄く強いとか、凄い加護を隠し持ってるって事は無いわよね」
ドキッ
ハハハ……
「そうだぞ、俺達PTメンバーを探すのに①突出して強く無い②同じくらいの年齢層③同じくらいのランク④雰囲気重視、という条件で探してたんだっ」
そりゃなかなかメンバー集まらないよ。普通はなんとか強い奴を集める訳だしね。
「そうよ、自分一人だけ強いメンバーなんて許せないわっ!」
「うんうん」
レミランまで。
「あ、安心してよ。俺なんてFランク回復師だし強い訳無いじゃん! スライムに負ける最弱野郎さっ」
「そっかーすまんすまん仲良くやろうぜっ」
「そうよ、Fランク回復師のユリナスに実は強いか? なんて聞いて凄く失礼よっ!」
え、シャリィさん貴方が聞いて来たんですけど?
だが当分俺が最強ドラゴンの【銀化】を持ってるなんて隠すしか無いな……まあいいや愛すべき仲良しクラブPTによろしくだよ。




