■99話■ し、知らなかった in カピパラ王国a
ドシューーッ!
俺はアルフレッドの期待に応える為、師匠の言われたとおり早速カピパラライン王国に飛んだ。
シュタッ!
もう着いた。一応敵を刺激しない為にゼブランド上空を通る時は高高度を通って来た訳だが、すぐに着いてしまった。
スタスタ
降り立ったカピパラライン王国のププッピ城の主塔の最上階で銀化を解除する。
「ユリナス解除!」
あっいけね、ゼブランドのノリでいきなり最上階に乗りつけちゃったけど、王様怒らないかなあ!? ここの城に来る時は一応ちゃんと城門から入っているんだった。
「ユリナス様!? どこからっ」
ビクッ!?
ヤバッ一発で衛兵に見つかっちゃった。
「ゴメン、王様とエディファニー王女に用事があって……」
「はい、今すぐお待ちをっ!」
スタスタ
良かった、衛兵にしかられる事も無く知らせに行ってくれたぞ。
ーそしてしばらく後、俺は玉座の間に通された。
「ふむ、ようやく来たかっ」
あ、あれ王様いつにも増してコワい顔してるぞ。やっぱり主塔に乗り付けたのマズかったかなあ? ここはファニーに話し掛けて糸口を見つけよう。
「ファニー王女久しぶり!」
「? ふふふ、良いのだ良いのだ。こうやって礼を言いに来ただけでもわらわは嬉しいのだ」
シィ~ン
え、礼? 何のお礼だよ……
「儂はてっきり涙を流し、土下座しながら感謝を述べると思っておったが、割と軽いノリで驚いておるぞ」
ええっ泣きながら土下座感謝!? な、何だよ。訳が分からないよ。でも知らないとか言ったら超激怒される展開だよ。ここは適当に話を合わせるんだ!!
「もちろんです、大変感謝しております」
「軽いわ! それでは感謝にはならんわっ」
だから何の? 聞いちゃおうかなあ。
チラリッ
俺はファニーの顔色を見た。
「ファニー俺、凄く感謝している!」
ピキーン!
その態度でファニーはユリナスが良く分かっていないと感付いた。
(こ、こやつ、良く分からないで話を合わせておるのでは……)
あ、あれファニーの目が薄ら寒いジトッとした目に変わったぞ。
コソコソ
俺の目の前でファニーは王様に耳打ちした。その途端に王様の怖い顔はさらにギンッと激怒に変わる。
「……ここで問題じゃ。ユリナスよ、そなたは何にお礼を言わねばならん?」
何故ここで問題!?
「ごくり……あはは王様もお人が悪いですなあ、そんなの当然アレでしょ!」
「……」
「早う言うのじゃ」
さっきまでの笑顔から一転、何だかファニーの目も怖い。俺の額を伝う冷や汗。
ツーッ
遂に頬を流れた汗が床に落ちる。