暗〇の行方……b 裁可
「わたくしは賛成ですわ。アルデは父上を暗殺した、だったらこちらも暗殺する権利がありますわ!」
「暗殺する権利ねえ」
シャリィが首をかしげる。
「ユリナスはどう思う?」
おおっ遂に俺にも相談が。
「師匠が言う事だからって訳じゃ無いけど、俺は賛成だ。多分カーミラーは凄く強いからサクッと成功しちゃうと思う……」
「アルパダは強いがオツムが弱いのでやり易くなるのじゃ」
次は自動的にアルパダが王になるのか? そして皆はアルフレッドの熟考を待った。
「綺麗ごとだけでは済まされないね。やろう、やってみよう! カーミラー殿お頼み出来るだろうか」
シィ~ン
おおお、真面目一辺倒のアルフレッドの意外な決断に皆声が出なかった。
「それで良いのね?」
「ああ、それで良いよシャリィ」
一応未来のお后であるシャリィが念を押したが、決心が揺らぐ事は無かった。
「うむ、ではアルデリーゼとアルパダの反目を必ず確認するのじゃぞ?」
「ええっお任せ下さい、抜かりなく成果を挙げてご覧に入れましょうフハハハ」
きゅぴきゅぴきゅぴ
彼は高笑いした途端に、再び子コウモリの群れになって窓から飛んで行った。本当に頼むぞ!
「さて吉報を待つとして、明日から我らは我らで建国したばかりの国の体裁を整う作業が必要なのですじゃ」
「はい、リリー師匠さま!」
もういちいち言わないけど、俺の師匠だからな? 最近師匠、対策くんとかアルフレッドとか浮気しがちだよな。俺へのあてつけかな!?
ー3日後
負傷兵を多く連れたアルパダは、ようやくアルパカルカの城門をくぐったので御座います。
ガラガラガラ
「ほぅこれがアルデリーゼのアルパカインか? 何か空気が違う感じがするぜ」
そうしてそのままアルパダとレミランは早速城に入ったのだった。
ザッザザッザ
「おおっ兄上よくぞご無事で帰られましたか?」
アルデリーゼは玉座から見下ろして声を上げた。
「まさかお前が玉座に踏ん反りかえって労をねぎらうとか思わなかったぜ」
「ええ父上が突然の御病気でご逝去を。それでこういう仕儀となったのです。しかし一度王となった以上はこの務め、しっかりと果たすつもりです」
「つまり簡単に辞める気はねーって事か?」
「はい」
二人の間に緊張感が走る。
「あ、あのアルデリーゼ新王陛下、レミランです私帰って来ました、パパとママに会わせて下さい!」
「もちろんだよ。ここに呼んでいる」
「え?」
レミランが驚くも既に二人は呼ばれていた。
「レミラン!」
「帰って来てくれたんだね」
「パパッママッ!!」
ひしっ!
三人は泣きながらしっかりと抱き合った。