と、とりあえず暗〇!
ーその夜の事
アルフレッドの私室には彼と俺達、身近ないつものメンバーだけが集まっていた。
「はぁああああ、どうしてアルデリーゼ兄さんの国に攻め込むとか言っちゃったんだろう!? バレたら怒って攻めて来るかなあ!?」
頭を抱えて悩み込む彼を見て、俺はコケかけた。え、あれって勢いで言っただけだったの!?
「貴方そんなのでどうするのよ、もう王様になったのよ!」
バンッ!
早速シャリィがアルフの背中を叩いた。本当の結婚はまだ先だとしても、完全に主導権握られるタイプだよ。
「相手はアルパダの軍も加わって5~6万には膨れ上がってるからなあ。怒ってなくても攻めて来ちゃいそうだね」
「うわ~~どうしよ~~」
絶対に兵士達には見せられない情けない姿だよ。
「ちょうど良い機会だ、これを君に返すよ」
カシャッ
俺は普段、全身銀化などで傷だらけにならない様に、大事にしまっていた勇者の鎧を持って来て彼に渡した。
「こ、これは若き叔父上の勇者の鎧!? こんな大切な物を良いのかい?」
「これは君にこそふさわしい宝物だよ」
「ほぅ?」
あっ! 師匠がジトッとした目で見ている。
「ありがとう、叔父上と父上が大切にした鎧、絶対にこの鎧に成功を誓うよ!」
ふぅ鎧のお陰で王が息を吹き返したぞ。師匠の目が怖いけど。
「所で、これと対の勇者の剣はどうしたんだい?」
ヤベッジギスムントにポーンと上げちゃったとか言えない。
「あれはユリナスが大切に保管してますじゃ、よろしいじゃろうか?」
「ええっ師匠様、僕の鎧とユリナスの剣、友情のシルシに分け合います」
師匠怒ってるのにフォローありがとう、やっぱり大好きだよ。
「ではワシから新王に祝賀かわりに、最初の献策をしてもよろしいじゃろぅか?」
「かしこまって有難う御座います師匠。是非聞きたいですよ」
俺も凄い興味ある。
「まず最初の策として、アルデリーゼを暗殺しなされ」
俺は本当にコケた。あ、アンサツですか?
「師匠さまのお言葉とも思えません、僕は戦場で兄と正々堂々と相まみえたいです!」
「それでは負けるだけですじゃ。だがしかし、今暗殺の手を打てば少ない犠牲で事が済みますのじゃ」
シィ~ン
皆黙り込んだ。
「けど、俺達が疑われない?」
「ユリナスよ、アルパダが城に帰った当初がねらい目なのじゃ」
「そうか! アルパダとアルデとの対立と皆思う訳か。けどどうせ俺がやるんでしょ?」
師匠は首を振った。
「もうここにおるんじゃろう、出て来るのじゃ」
きゅぴきゅぴきゅぴ
師匠があらぬ方向に呼び掛けると、子コウモリの大群がどこからともなく現れた。
「さすがリリー師匠様、恥ずかしながらココに」