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■98話■   俺達の建国宣言


「師匠さま、アルパダが去った以上はもうこの場で建国宣言をしようと思っています」


 そ、そうなんだ。もうその時が来たのか。


「そうじゃな、我ら城に帰らなかった以上は今や中ぶらりんな存在じゃ。一刻も早くやった方が良いのじゃ」

「では、全将兵を城門前に集めます!」


 幕僚の一人が走って行く。そうしてアルパダ警戒態勢を取っていた兵達は、そのまま東砦前に集まった。



 約2万の兵達が整然と並ぶ前で、アルフレッドの両横に魔法スピーカーが設置された。


『アーアー、テステス。まずは色々な想いの元、アルパダと一緒に城に帰らなかった者達全員に感謝したい』


 グインッ

 アルフレッドは深々と頭を下げた。どよっと大きなどよめきが起こる。大丈夫かな、つけ上がるヤツとかいないかな? でもこれが真面目なアルフ王子の良い所だよな。


『君達は新たな国の国民であると同時に僕の天祐だよ! そう、今の時点をもってこの東砦を【アルジェシュナイジェ真アルパカインゼット王国】と名乗り一つの国として歩もうと思う。この国は今はこの壊れた城一つだけだ、でも城内商店街もギルドもある。さらに周囲の村々にも連絡を取り土地を開墾し、もっともっとこの小さな国を豊かにしたいと思う』


 わーわーーっ!!

 良く言った! アルフレッドの力強い言葉に兵士達は声援を送っているよ。しかし国の名前に父親の名を付けるとはな。


「アルデの【アルパカインゼット王国アルデリーゼ新王朝】とケーキ屋さんの元祖対立みたいですわ」

「アウレリアーナ様、それは今絶対に言ってはいけないヤツじゃ」


 確かに!


『……でもそれだけじゃない、僕の本当の野望を皆に打ち明ける。この国はこの小さな砦の城だけでは終わらない。いつの日かアルデリーゼが居座るアルパカルカ城に攻め入り、父上の仇を討つ! そして皆の手にかつてのアルパカインゼット王国を取り戻す!! その為の戦いに協力してくれっ』


 アルフレッドは絶叫すると再び頭を下げた。もともと兵士で血の気の多い連中だから、この最後の宣言に興奮は最高潮に達した。


「うおーーーっ!」

「明日にでも攻め込もうぜっ!」

「俺達の新しい王様の為に戦うっ」


 アルフレッドの後ろに立つ俺達から見ても皆大興奮だよ。一応建国宣言が上手く行って良かったけどさ。


「この興奮がいつまでもつかのぅ」

「師匠……やはり難しいですか?」

「そうじゃのぅ」

「当たり前です、女性兵士の比率が圧倒的に少ないですわ。これじゃあ血みどろの争いになりますわね!」


 俺はコケた。


「いや、確かに! それ重要かも知れないね」

「そ、そうですか? 私良く分かりません」


 ヒイラギちゃんは軽くとぼけた。

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