ここがっ俺達の国なんだよ!!
ドンッ!
突然アルパダが机を叩いた。ビックリしたっうるさいだろ。
「奪還あるのみ! 今日明日にでも城に攻め入ろうぜっ!!」
片手をグーにして力説するけど、誰も色よい顔はしない。当たり前だろ、今敵から逃げて来てボロボロじゃないかっ。
「非現実的ですわ」
「バカかっ女のクセに口出しすんな! これからどんどん兵達が逃げて行くんだぜ、早く攻めねば俺達はジリ貧なんだよ」
確かに! すごいシャクだけど、一理あるなあ。
「兄上、でも現実的に父上の城は巨大で堅牢。ちょっとやそっとじゃ攻め落とせないのは分かっておられるはずです」
そうなんだ、あのアルパカルカ城は空に向かって高いだけじゃ無く、地上にももちろん巨大な城壁がある。
「兄上それに逃げて来た行商人の情報だと、アルデリーゼは若者だろうが老人だろうが国中の男を招集して、今総兵力は4万とも5万とも急激に増加させているという話ですわ」
「ぐっ」
一応軍人のアルパダは攻めるのが難しい事を悟って黙り込んだ。
「姉上兄上聞いて下さい、僕は悔しいけどこの砦を放棄し降伏しようと思っています」
「アルフ……」
うっ弱気過ぎる、マジカー。でもスグにアルパダが、ガバッと胸ぐらをつかんだ。アルフの奴カツアゲされてるみたいに無抵抗だよ。
グイーン
「てめっ親父の仇はどうすんだよ!?」
「僕が冒険者となっていつか兄上を暗殺します、良ければ兄上もご一緒しましょう」
なんつー実現性が低い計画!?
「へっ意気地なしめがっ」
どさっと弟は兄の手から放された。
「わたしは、わたくしは?」
「姉上はアルデリーゼの元に降って下さい、どうせどこかにお嫁に行く身でしょう」
パシッ!
うわっ突然アウレ姉さんがアウレの頬をはたいた。
「バカにしないで下さいな、アルフレッドしゃんとしなさい!」
「コイツ大丈夫か?」
アルフの奴叩かれても目に力が無い。帰還成功でもう燃え尽きたか?
くそ、俺だって何か言いたい。
「王女殿下、ユリナスが発言しても良いじゃろうか?」
「どうぞ、殿を務めて下さって発言権は十分ありますわ」
ありがとう師匠……
バシッ
俺は机の上のこの辺りの地図を見た。
「皆さん大切な事を忘れていませんか? 俺達にはこの東砦という立派な城もあります。城内商店街のみなさんも冒険者ギルドもあります」
「何が言いたいんだよ?」
「つまりココがっこの砦が俺達の国なんですよ! ここから全てを始めれば良いじゃないですか!?」
どビシッ!
俺は地図の上に指をさして力説した。
シィ~ン
だが反応は薄かった。
コンコン
「何だ、会議中だぞ?」
「それが第二王子殿下から特使が……」
「早速敵のかく乱が来たのじゃ」