姉弟再会……
ギィガラガラガラ
太い鎖がおりて巨大な正門の城門が開かれて行く。その城門が八割ほど開かれて行くと、その奥には両手を握って弟の帰りを待ちわびていたアウレリアーナ王女の姿が見えた。もう門の所まで出迎えに来ていたんだ。
「お姉さまーーーっ!」
「アルフレッド!!」
だきっ
二人は皆の見てる前で泣きながら抱き合った。もちろん誰も邪魔する者なんていない、むしろ早く二人が抱き合う姿を見たかったんだと思う。
「姉上、父上が父上がっ」
「分かっておりますわ、あのバカ弟なんて非道な事を……」
コツコツ
そこへ満身ソウイのアルパダがやって来る。お前余計な事言って水差すなよ。
「おい、アウレ俺も生きてるんだぜ」
「は、はいお兄様、ご無事で」
ほら一旦アルフとアウレ姉さんが離れた。
「兄上、シンガリ部隊で獅子奮迅のお働き有難う御座います。お陰で我ら先行隊3万が無事に帰還出来ました」
ぺこり
アルフレッドは軽く頭を下げる。
「壊れたこの砦に帰ってこれたのは良いが、これからどうするか、今から早速家族会議だぜ」
ぴっとアルパダは親指を立てた。おいおい自分勝手な奴だな、シンガリを務めていたのは主に師匠じゃないか! あと兵達に休息を与えろよ。
「兄上、まずは兵達に休息を与え、負傷兵に治療をせねばなりません」
「それにアルパダ兄上、アルフレッドの副将を務めたユリナスにそのリリー師匠様、さらにギルド窓口お姉さんと城内商店街の町長さんも会議に参加した方が良いですわ」
姉さんナイス! アルパダが今後の方針を勝手に決めない様に、いろんな人間を参加させる気だな。アルパダの奴凄い不満顔だけど。
「ワシからも是非お願いしたいのじゃ」
ギロッ
師匠はにらみながら頭を下げる。どんな態度ですか! ムフフ。
「す、好きにすりゃ良いじゃんかよ!」(チッまたこいつかリリー)
アルパダはくるりと背中を向けて、残り少なくなった護衛騎士達の元へ去って行った。ふぅしかし俺も参加するのか責任重大だなあ。
ー数時間後
負傷兵を優先的に砦に入れ、残りの3万6千人余りの兵士に砦内部屋やテントの割り振りや食事の手配をした後、貴賓室の一つが急きょ今後の方針を決める会議室にされた。
ガチャッ
信用のおける兵士に外側から厳重に扉が警備される。なんたってこれからどんどん兵士が離散するかも知れないからな……部屋内には第一王子アルパダ、アウレリアーナ王女、第三王子アルフレッド、腹心の俺ユリナス、リリー師匠、商店街町長鍛冶屋、ギルド窓口お姉さんだけが参加している。
それ以外はレミランシャリィもヒイラギちゃんも執事ジイも完全に締め出しの秘密会議だ。