俺も地上で戦うっ!b
ー師匠達のシンガリ軍
師匠やヒイラギ達の奮戦空しく、三方から挟撃される軍はじりじりと数を減らしていた。皆の頭の中に全滅の文字が浮かび始める。
シュタッ
そんな時に俺は師匠達の前に降り立った。早速死んだ兵士の剣を二本ひろい、戦いに参加する。
ズバァーーッ!
「師匠お待たせしましたっ! 輸送隊を追ってたイバラは撃退しアルフレッド達は順調に西に逃げていますよ」
「またイバラが出てくればどうするのじゃ?」
「いや、彼女はもう出て来ないよっ」
バッサーッ
二人とも敵兵を切り裂きながら会話した。
「光の矢や光の羽は使わんのか?」
「銀化はするけど、剣で戦うよ」
「よーわからんヤツじゃ、ヒイラギを守ってやるのじゃ!」
「ハイッ!」
そうだ、ヒイラギちゃんだっ俺は彼女の影を求めて戦場を走った。
「おりゃーーっ」
ドシュドシュドシュッ
ヒイラギちゃんは黄金のゴーレムを盾にしながら短魔銃を連射していた。割と無事だった。
「ヒイラギちゃん無事かっ」
「ナスビィー様っ!!」
彼女の顔がぱあっと明るくなる。俺も無性にホッとするよ。
「あの、俺達もいるっスから」
「ジャラー・トゲー・グサーお前達も無事かっ」
「ヤサグレ隊もだいぶ減っちまったよ」
「そうか」
そんな時であった。
ヒューン、パンパン
敵軍に謎の魔法信号弾が上がった。
「何だろ?」
「分かりませんっ新たな敵軍か?」
「アイツら落とし穴とか馬防柵とか位置をハアクしてるからな、新たな罠かもしれんです!」
だが俺達が目撃したのは、意外な出来事だった。
ドドド……
な、何だ、敵軍の圧が減って行く?
「少し飛んで見て来る!!」
シュバーーッ
俺は空に飛んで戦況を見てみた。ゲゲッ姫の中央軍と南のエーリュク軍が引いてる!? どういう事だっ敵が完全に有利なのに。罠か? しかし敵軍も混乱してる様だな。
「帰還信号、エーリュク殿、どうされますか?」
「王様に何かあったのか? くそっ良い所なのに僕は王様に拾われた命、逆らう訳には」
それは姫も同じであった。
「父上に何かあったのですか? まさか少数の兵士が反乱でも、引くのですっ!」
こうして疑心暗鬼の中、中央軍と南の軍は引いて行く。残されたのはダルアガートだった。
「な、何だぁ俺達あともう少しで勝ってるんだぜ? どうして引いてくんだよ」
「我らは?」
「ええいシャラクセー、俺達だけで敵を潰すしか無いぜっ」
シュタッ
再び地上に降り立った。
「師匠、敵が引いております!」
「よし、残りの敵に攻勢をかけるのじゃっ!」
「ハイッ!!」