怒号と迷いと戦う相手b
ゲラゲラゲラ
ここでも一斉に笑い声があがる。くそっ何がおかしい。
「友達とは聞いて飽きれるわ! じゃあ僕も君の事を友達だと信じていたんだぞ!」
ぐっそれを言われると。
「……」
「もし貴様に1ミルでも人間の心が残っているならば、この僕の部隊には攻撃出来ないハズだっ」
こんなの無視してバンバン攻撃すれば良いのに……俺は南の部隊への攻撃を中断し、最後に城から出て来て、一直線に師匠のシンガリ部隊に向かって来る中央部隊に向かった。
ギューーーンッ!
ー最後に城から出撃した中央部隊
城門から出撃した部隊は、師匠のシンガリ部隊の中央に向けて突撃を続けていた。師匠の部隊はいまや北はダルアガート、南はエーリョク、最後に中央部隊の三方から挟撃されていて、かなり苦しい状況に陥っていた。俺がモタモタしてるから、今度こそ中央部隊を撃つ!
「ライトニングスプラッシュ!!」
シュババババッドドーーーン!
俺は敵中央部隊を滅多ヤタラに光の矢で撃ち始めた。ここには知り合いはいないはずだよ。
「お止め下さい!!」
え、今度は誰だよ。
「わたくしです、ゼブランド王女エルヤです! まさか貴方がこの様な非道な行いをする方とは思いもよりませんでした」
白い馬にまたがり、剣を振りながらサッソウとお姫様が出て来た。
「王女さん……まさか」
「わたくしは貴方の様な者に心を奪われた事を恥ています、その想いを断ち切る為に死になさい! 対空魔法戦闘、魔法発射!!」
シュバババッ
うわわ、地上から魔法を撃って来やがった。くそっお姫さんが一番攻撃しにくい。くそーっ。
シュビンッ
その時、突然師匠が俺の真横に現れた。ちょっとどういう事。
「ココはもう良いのじゃ、イバラがおらん。恐らくは先頭で逃げておる輸送隊を攻撃しておるはずじゃ、イバラを倒しに行け!」
シュビンッぱっ!
師匠は言いたい事だけ言って消えた。幻じゃないよな……地上を見ると、師匠の部隊つまりヒイラギちゃんやジャラーやトゲーやグサー、それに対策くん達が必死に戦っている様子が見える。ゴーレムもいるな。
グオーーッ
「あそこに混じって地上で剣を振るうか? いや、先行してる輸送体が全部やられたら意味が無い!!」
シュバーーーッ
俺はシンガリ部隊を放置して、先行隊のいる西に向かった。
ドシュドシュ!!
師匠の言葉通りイバラは先行の輸送隊に向けて、鋼鉄のリボンを撃っていた。しかし今までと違って、伸ばしたリボンを槍状にしては打ち放し、それを炸裂弾にしていた。
ドドーーーン!
「あははっヨリドリミドリだよキャハッ!」