一週間が、経った、のじゃーa 珍しきお客たち
ー次の日
西砦を占領したアルフレッドのアルパカイン軍だったが、この日は完全休日として兵達に休養が下命された。アルフレッドらしい命令だ。という訳で俺達はアルパカルカの城に居た時と同じ様に食卓を囲んでいる。
「うむこの戦闘糧食はうまいのじゃ!」
「ええ、戦闘糧食とは思えません、こればっかり食べて生きていけそうです!!」
「それはさすがに言い過ぎじゃ」
「そうですねハハハ」
カタッ
突然ヒイラギちゃんが食器を置いた。
「何があったんですか? お二人の動きが不自然でぎこちないです」
え、そうですか?
「別に何も無いのじゃ」
「ええ、ありませんありません」
「あ、ぅあああ、絶対に何かあったんですね、私女だから分かります!」
「いや、本当に無いって」
「ナイナイ、全くナニも無いのじゃ~」
「い、いやああ、別に隠さなくたっていいじゃないですか!? 私お邪魔虫だったらどこか行きます、わぁーー!!」
「え、ドコ行くの?」
「実家に帰らせて頂きます!」
え、実家ってドコ??
スタタタタ
そのままヒイラギちゃんは泣きながら部屋を出て行ったので御座います……
「何を言うとるんじゃ」
「何も無いですよね?」
「ないない、何も無いのじゃ」
等と言いつつ、俺と師匠は少し赤面して見つめ合った。
ーしかしヒイラギは夕食どきにはお腹が空いたと言って、しれっと帰って来たので御座います。
ー数日後
アルフレッドはこのゼブランド西砦を【アルパカインゼット王国東砦】と改称した。そんな時に凄く珍しいお客の一団が突然やって来た!
ガラガラガラ……
そのお客の一団は馬車や大八車を引いて大挙してやって来た。
「よしユリナス、あの一団をお迎えしろ!」
「エ~めんどくさいなあ。はぁ~い」
「なんという返事ですか!」
執事ジイにしかられつつ、俺はアルフレッドに命令されて嫌々門の外に出迎えに行かされる。
ザッザザッザ
ー正門前
「ユリナスさん来ちゃった……」
「わわっ道具屋の色っぽいお姉さん!? どうしてココに」
だきっ
お姉さんは恒例行事の様に俺にしなだれかかって来る。今はこの場に師匠もヒイラギちゃんもいないし、お姉さんも疲れているんだ、このままにして上げよう。
「それがね、ギルド窓口お姉さんが城内商店街の皆に、生涯一度のビッグビジネスチャンスがあるから、家族総出で城内商店街総出でこの西砦に行けってしつこくって。それで来ちゃった」
そうかそれで……それにしても城内商店街せまいと思っていたけど、外に出るとえらいキャラバン隊になるなあ。




