よし、このまま本国進撃だぜっ!?a
「何を言われるか、今回の遠征の総大将はアルフレッド殿下じゃ。それはアルジェシュナイジェ王陛下がお決めになられた事。それに従わぬ方が反逆罪なのじゃ!」
そうだその通りだっ! 皆の溜飲が下がるくらいにズバッと言ってくれる師匠の支持率は100%突破だ! けど……師匠ってこんなキャラだったっけ? いやいや500年前に黄金竜ゴールド・マリーゴールド・ドラゴンを倒すため八竜大戦の勇者軍を率いて戦ってた訳だし、これが本来の姿なのか? でも前のトボケタ師匠も可愛かったなあ……
「ぐっテメ、やるって言うのかよ!?」
って言われて普通の奴だったらたじろぐハズだけど。
「ワシは第三王子殿下のお許しさえあれば、いつなん時でも決闘の再戦を受け入れるのじゃ。どうであろうか?」
チラリ
師匠はアルフレッドの顔を見た。前に相当セーブした力でアルパダの奴を倒し掛けたからな。なんなら鎧の人である俺が代わりに戦っても良いし。
『どうであろう、我でも良いのだが』
ズイッ
調子に乗って前に出てみる。
「あの鎧の者、アルデリーゼ殿下のビスマスと同じ様な強さだと」
コソッ
アルパダに耳打ちするコールディ……ってお前居たのかよ。それでアルパダの後ろを見渡すと、護衛騎士の中にルウィナも混じっていた。別にいいけどな。
「うっ」
(ユリナスにリリーにビスマスに鎧の男だと? アルフレッドの奴、女子供とママゴトしか出来ない奴だったのに、いつのまにあんな正体不明の怪しい部下を集めやがった。ハッ親父の奴、それでアルフレッドを総大将に指名したのか……そうか、そういう事か)
スッ
アルパダは後ろに下がった。
「へっ今日はこの辺にしといてやるぜ。お前らと同じ砦で寝るのはゴメンだからよ、入りきらねえ兵共と一緒に外で野営するわ!」
逃げたっ、アルパダ完全に逃げたぞ、や~いや~い行け、そのままどっか荒野にでも行け!
「しかし一軍の将たる兄上が外で寝るとは」
いや止めんなよアルフレッド、お前本当にお人よしだな。
「アルフレッド止めなくて良いですわ、アルパダ兄上には外がお似合いです」
「おやアウレリアーナ居たのか、じゃあ昔みたいに兄ちゃんが可愛がってやるぜ、一緒に風呂入って寝ようぜっヒヒヒ」
ぴくっ
え、どういう事? こいつ妹にまで手を出していたのか、鬼畜か?
「ご、誤解を受けますわ! 幼い私は何も知らずに兄上の相手をしていただけですわ」
逆にすっごいモヤモヤするんだけど。それって虐待じゃないのか? 俺が成敗してやりたい。でもアウレ姉さんってどこか投げヤリでやさぐれた感じがしてたけど、こいつの虐待が原因か?




