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アルフレッド勝どきの声


「アルフレッド殿下、もうこの男を気絶させて良いか?」


 遂にビスマスまでもがイライラし始めて来た。師匠も同じ様な感じだ。恐ろしくジトッとした目でエーリュクを見ている。


 黙って聞いていたアルフレッドが、聞き終わって遂に口を開いた。


「エーリュク殿貴重な提言をありがとう。実は僕も我が友ユリナスについては妖しい部分があるなと警戒している所です」


 コラコラちょっとちょっと!!


「うっそうですか、聞き入れて下さってありが……」

「だがっ一つ承服できない部分がある! それは姉上と同じくらい美貌の持ち主で、我が人生の師と決めたリリー師匠殿を侮辱した事だっ。この美しい方が悪意を持っている訳が無い、取り消せっっ!!」


 シィ~ン

 えらいケンマクに皆黙り込んだ。いや、そっちですか!?


「同じくらい美貌って、あらまあ姉のわたくしにも気を遣ってるのねアルフレッド」

「アルフレッド殿下、このワシにお心遣い感謝するのじゃ、しかしエーリュク殿は恐怖で混乱されておる、この発言は無かった事にしてあげて欲しいのじゃ!」


「う、うむ」

「違う! 恐怖で混乱などしていない!!」

「もう止めとけ、お前の発言は不発だぜ」

「そ、そんな」


 う、エーリュク君うなだれて。


「……しかしどうだろうかエーリュク殿にダルアガート殿、このまま帰国しても立場は悪くなる一方、我がアルパカインに士官しないかね?」


 え、アルフレッド突然の寝がえり要請!?


「王子殿下、とても素晴らしい英断ですじゃ」


 師匠まで頭を下げる。二人の決断は!?


「俺はお断りするぜ、傭兵の野郎共を置いて自分だけ寝返りなんて出来る訳ねえ」

「僕も同じ事だ! 僕はそこにいるユリナスを倒す、その為には命乞いをしてでも必ず復帰して王子殿下の前に立ちはだかろう!」


 ビシッ!

 い、いやだぁ、そんな決意聞きたく無かったよ。俺に指さすなよ。



「そうですか、ならば仕方あるまい。貴方達には入城後、丁重にお帰り頂こう」

「殿下、敵軍砦からの退去、あらかた完了致しましたっ」

「うむそうか」


「殿下トラップの調査を怠り無い様に」

「そんなセコい事ぁしておらん!」

「よし、二人を伴って入城する!!」

「ハハッ」


 アルフレッドの宣言で俺達はカラになった西砦に入って行った。グチャグチャになった主塔にまで来ると、退去していくゼブランド軍が見えた。


「王子、勝どきを上げるのじゃ」

「はいリリー師匠様、行くぞエイエイオーーーッ!」

「エイエイオオーッ!」


 二人の真横でアルフレッドのトキの声は大合唱になって鳴り響いた。エーリュク達には大変な屈辱だよ。

 ギロリッ

 ニラまないで~!


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