表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

482/637

停戦、エーリュク決死の叫びb


 そう言えば俺は当っても大丈夫だから気にして無かったが、俺達の周りを雨あられと弓矢や魔法弾が飛び交っていた。吊り下げて飛んでる内にエーリュクとダルアガートが骨だけになってたりすると、笑えない冗談だよなハハハ。

 ビュイィーーン!

 俺は吊り下げた二人が弾に当たらない様にアルフの元へ急いだ。



 ーアルフレッド本陣部隊

 彼らは正門を攻撃する前衛部隊の少し後ろに陣取っていた。

 ワーワーッ

 その中に戦いとは関係ない騒ぎ声が上がり出す。


「一体何事だ?」

「殿下、変な物が飛んで参ります!」

「あれは鎧の人ではないですか?」

「変な物をぶら下げてるぞっ」


 シュインッ! ぱっ


「あれは敵司令官エーリュクと顧問の傭兵団長ダルアガートじゃ。鎧の人が和義の交渉に連れて来たのじゃ。出来うれば早めの停戦命令をお出し願いますのじゃ」


 ビクッ!

 突然のリリーの声に第三王子は背中が湧きたつ。


「リリー様いつの間に!?」

「もう聞いてもムダですわっ」

「アルフレッド王子ーーっ! とにかく連れて来たから停戦命令をっ!」


 なかなかにカオス気味だが、鎧の人が敵司令二人を連れて来た事実は確認したアルフレッドは、片手を上げた。


「よし停戦信号魔法だっ! 重ねて伝令の早馬も各部隊に出せ。だがもし向こうから攻撃してくればチュウチョするな、剣を捨てるならば斬ってはならんぞ!」


 ヒューーーンッパンパン!

 アルパカイン側からも停戦信号が上がった。

 どさっ

 それを聞いて俺は二人をアルフレッドの前に落とす。途端に近衛兵に囲まれる二人。


「この二人か?」


「こりゃドーモ!」

「この少年がアルフレッド……王子殿下」


「乱暴に扱わないで下さいよ」

「君は声がユリナスに似てるね!」

「アッ」


 俺は思わず地声でアルフと話していた。


「び、ビスマスと共に停戦を徹底して来ます! ゴホンッ三人で砦退去の手順を話し合っておいて下さい!」


 気持ち低めの声で言い直す。俺はそのまま空でビスマスと合流すると、あちこちの部隊に停戦を徹底させた。こうして一応両軍の戦闘は停止したのだった。



 パカラッパカラッ

 人質となったエーリュク&ダルアガートの命令をゼブランド側の伝令の早馬が砦内に伝えに行く。これからと粛々と砦内のゼブランド軍の退去が始まるのだ。一件落着かな?


「本当におとなしく退去して下さるのかしら?」

「今更抵抗してもムダなのじゃ、連中もバカではあるまい」

「あらそう」


 そんな時、黙っていたエーリュクが突然口を開けた。


「皆さんに聞いて欲しい事がある、そこにいる自称鎧の人の正体についてだっ!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ