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停戦提案、師匠甘えちゃいますb


 ーアルフレッド本陣

 ドドドド

 彼らも不安を感じながら移動し、西砦に肉薄していた。

 シュビンッ!

 そんな彼の目の前にリリーは突然帰還した。


「うわーーっ!? リリー様、どこに行ってらしたんですか!?」

「どこも行っておらんのじゃ~」

「嘘でしょ、今消えてたでしょ?」


 アルフレッドが叫んだが、リリーは意に介さないでガン無視を決め込んだ。


「そんな事より鎧の人より秘密の通信があってな、カクカクシカジカという事で即時停戦をしたいらしいのじゃ」

「どうやって通信したんですか?」

「伝書バトじゃ」

「嘘だーーーッ!!」


 アルフレッドは血走った目で叫んだ。


「もうリリーさんに何言ってもムダですわ、話を先に進めませんこと?」

「ハハハオチツケ、アルフレッド!」


 ぽんぽん

 対策くんに肩を叩かれて第三王子は黙り込んだ。



 ヒューーンドドドォーーン!

 相変わらずアルパカイン側の攻城魔法が西砦の中央司令塔を猛攻撃していた。そして第三曲輪(くるわ)の外門では突撃しようとするゼブランド軍三千と、逆に門を守ろうとするヒイラギの突撃部隊約五千が死闘を演じていた。その上からゴブリン達がゼブランド兵を狙い撃ちしている。

 ビシュビシュッ!

 そしてその奥で鎧の人ユリナスとエーリュク・ダルアガートが睨み合っていた。リリーが報告したのはそんなさ中の戦場である。


「ふむ、捕虜無し、賠償金無し、それで砦の放棄か……リリー師匠様はどう思う?」

「相手は一万人前後、こちらはアルパダ様軍を入れて合計6万、さらに鎧の人とビスマスが味方におって兵糧も十分じゃ。いくら戦ったとて我らが必ず勝ち、相手はいつか全滅するのじゃ。ゼブランド本国からの援軍とてものの数ではあるまい。普通に考えてこの様な時、受ける必要が無いのじゃ」


「わ、わかったじゃあ合意しよ!」

「レミラン話聞いてないでしょ? リリー様は受ける必要が無いと」

「デモシショウハ、ウケルベキダト、オモッテルネ?」

「ユリナス?」


 対策くんの言葉にリリーは嬉しそうに笑った。


「ワシは博愛主義者でも何でも無いのじゃ。じゃが、栄えある第三王子殿下の初陣で、敵を皆殺しにしての勝利よりも、敵を逃して完勝の方があとあとの評判が全然違うと思いますのじゃ……」


 アルフはハッとした。


「ありがとう師匠さま、貴方は私の人生の師です。貴方の言葉に従いましょう。ただし条件があります。敵司令エーリュクとダルアガートの二名が、停戦が完了するまで我が陣に二人のみで来る事です!」


「それって……」

「アルフレッド!」


「いわゆる人質じゃな」

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