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襲撃! 意外な加勢a


 スッ

 カールも監視兵も去ったアルデリーゼだけの部屋に幽霊の様に女は現れた。


「来てくれたか」

「先程から天井に居たが気付いてなかったか?」

「まさか君がまた来てくれるなんて、もう捨てられたかと……」


 ふっと鼻で笑った。


「以前の様にただ闇ギルドで依頼を受けただけだ。契約を受けた事を知らせに来たのさ」

「でもまだ作戦まで時間がある、どうだろう二人きりでワインなんて」


 カチャッ

 アルデがグラスを差し出したが、女は手を出して拒否をする。

 さっ!


「いい加減勘違いするな、まだ時間があるなら暇つぶししてくるだけだ」


 ぷいっとそのまま女は窓から飛んで行った。


「きまぐれな猫の様な女だ、やはり聖女(ニセモノ)より本物の方が良い……」



 ーそれより二日後

 アルフレッド達は会敵する事も無く、順調にゼブランド西砦に接近していたので御座います。そんな時……

 パカラパカラッ


「アルフレッド殿下、来たのじゃ」


 ふっと第三王子の横を行くリリー師匠がつぶやいた。


「えっ何ですかリリー様っ」

「リリーさん不気味ですわ」

「アルフ、キケンキケン」


 対策くんもリリーに合わせてせわしなく叫ぶ。


「伏兵か?? ユリナス何が来たんだよ?」

「もうそこまで来ておる、身構えるのじゃ」

「だから師匠さま何がですかっ!?」


 ヒイラギもあっちこっちを見て短魔銃を構える。

 スチャッ


(ユリナスの奴大丈夫じゃろうな? ボンクラ王子がうっかり討たれたら終わりじゃぞ?)


 キラッ!

 リリーが懸念している通り、リリーだけが気付いたはるか上空で何かが光った。しかしリリーは少し強い女騎士程度の力で活動しているので、手助けする気も無かったし、逆に敵にも気付かれる事も無かった。


「先手必勝ッッ!! 死ねェエエエーーーッ!!」


 直後、キラッと光った辺りから、イバラが放った真っ赤な鋼鉄のリボンが一直線に伸びて来る。しかし地上を行く者達からは厚さが薄い為によく見えていない。

 シュババアアァアアッ!!


「イカン殿下、そなたもうすぐ死ぬのじゃ!」

「だから何がですかっ!?」

「リリーさん、何か知りませんが弟を守りなさい!」


『あぶなーーいっ!!』


 直後、全身鎧を着用したユリナスがスケッチブックの手書き文字を見せつけながら上空に飛び出した。

 シュバーーーッ!


「なっ【鎧の人】!?」

「鎧さんっ!?」


 アルフレッドからしてみれば突然目の前に現れたのは、イバラの鉄のリボン攻撃では無く鎧の人の背中であった。


「鎧の人が僕を襲うというのか!?」

『ち、ちがうって!』


 空中で鎧の人ことユリナスが律儀にコケた直後であった、目前まで迫って来て鎧の人がカッコよく撃退する予定であった鋼鉄のリボンの切っ先が突然爆発した。

 ドボーーンッ!


(え?)

「う?」

「お?」

「何じゃ!?」

「今の爆発は!?」



「待たせたな!」


 直後、鎧の人のさらに上空に蒼い女ビスマスが舞い降りて来る。だが、その姿は背中に六枚の半透明の魔法の羽を背負った、明らかにパワーアップした姿であった。

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