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借金


「何じゃまた来よったのか暇な姫じゃな!」


 師匠はちょっと気に入らないみたいだけど。


「ほんとだよ、あの後会えなくて心配してたんだけど」

「そりゃそうじゃ! 前よりも警備が何重も厳しくなったからな! 抜け出すのに苦労したぞ」


 ヤレヤレこの子、全く懲りてない!


「駄目じゃないか、またお父さんの鉄拳制裁を受けるよ!」


 大甘な空気より軽いヤツを。


「そんな事よりお付きの人達とか罰を受けないんでしょうね? そっちが心配だわ」


 大人なマリ。


「大丈夫だっ泣きながら侍女達を罰せぬ様に父上には念押ししておるわっ!」


 じゃ、なおさら来ちゃダメ。



「で、どうしてそんな危険を冒してまで来てくれたのさ?」


「もちろんフィアンセに会いたい為だっ! けどそれだけではないお前がもらう領地が決まったぞ。その名もシルバー・リリー村だ」


 そのまんまだっ!


「シルバー・リリー村なら知っておるぞ、我が銀竜の洞窟を攻略するのに最後に通過する村じゃ」


 そうだっそう言えば……


『最後の村、シルバー・リリー村はありがちな凄い村とは全く逆の何も無い村だぞ』

『そうです、凄い装備どころか武器屋も道具屋も宿屋すらありません』

『じゃあ、そこに辿り着くまでに準備を揃えて、その村はスルーだねっ!』


 とかルウィナ達が言ってたんだっけ。あれから一年かよ……俺は遠い目をしてしまう。


「あらあら、そんな何も無い村をもらっちゃったんだ? そんな所のお城に引っ越しするの?」


 マリは両手を広げて呆れた。嫉妬か!?



「いや、お城も無ければお屋敷も無いぞ。先々代の領主が死んでから何も無いのだ」

「えーそんな所に引っ越しするの?」

 

 ファニーは首を振った。


「いやいやいちいち領主が引っ越しなぞせぬで良いからな。年一で訪問すれば良い程度じゃ。後は代官が勝手に治めてくれるぞ」


「お代官様て悪人しか思いつかないよ」

「それは偏見だぞ!」


 そうなのかー。


「そうなのじゃな?」


 あれ、師匠はちょっと残念そうだな。



「でもマリ、コロコロ変わってごめんね。これからも3人でわいわい暮らせるみたいだよ!」

「だから誰も望んでません!!」


 またまた。


「問題はそこでは無いのだ。シルバー・リリー村は唯の寒村や限界集落なだけでは無く、ゴブリンの居住地と被ってる上に、国庫からの借金が7000万エピもあるぞ、何でそんな村を選んだ!?」


 え、借金が7000万エピ? ゴブリン居住地と被ってる上に限界集落……俺は一気に脱力した。いやでも別に俺が選んだ訳じゃ無いしー。

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