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青い光とマリの館……


「前から時々姿を消していた?」

「鉱山に行ったり、行商したり取り引き先に行ったりしてるんじゃないかなぁ。それよりアンタ最近見なかったけどどこ行ってたんだい? ランクは上がったのかね?」


 このおじさん、俺はカピパラライン所かアルパカインゼット王国にまで領地もらって、アルフレッドの副官としてゼブランドに攻め込む予定とか全然知らないからなあ。


「う、うんがんばってるから!」

「まあ気を付けておやりなさいよ」


 言いながらご主人は店に戻って行った。



 シュインッ

 日が沈みゆくなか、人目を忍んでガランとした中庭に戻るとソラの背中にまたがった。


「仕方が無いまた来るか。ソラいっぺんお城に来る?」

「きゅる~」(いいのかよ?)


 ばっさばっさ~

 などと言いながら俺達は暗くなった空に飛び上がった。


「さてどうするかな~」

「きゅるっ?」


 順調に飛んでいると、ふっとソラが振り返った気がして俺も釣られて見てしまう。

 スーーーッキラッ

 何の気なしに振り返っただけの視線に、一瞬だけ青い光が見えた気がした。


「青い光? 今降りて行った気がした……ビスマスか行こう」

「きゅ~」(やれやれ)


 ばっさ~

 俺はソラを急かしてマリの館に戻った。きっと行き違いで彼女も館を調べに来たんだ! 俺に会いたいのかも。



 ーマリの館、中庭

 戻ってみると閑散としていた雰囲気から一転、師匠や皆と暮らしていた時のように魔法灯りが明々とつき、雨戸的な物も解放されてガラス戸になっている。


「あれ~~ビスマスが勝手に開けたのかなあ?」


 カチャッ

 突然戸が開き、思わずビクッとしてしまう。


「あっ貴方、いつ帰っていたの?」


 あれマリ居たんだ。


「……えーーーーーっ!? マリいつ戻ったの??」


 俺は飛び上がるほど驚いた。目の前には先程まで必死に探していたマリが普通に立っているんだから。しかも彼女はいつもの様に俺を小バカにでもする様な顔で見て来る。


「ごめん、貴方何を言っているの? 二か月以上過ぎて少しは偉くなったのかと思っていたけど、ちょっとヘンでおかしな所はそのままねえ」


 シィ~ン

 いやいやいや。


「あははっマリも嘘がうまいなあ、どこか遠くに行ってて今帰った所でしょ??」

「何を言っているの? 今日も朝から店を開いていたし、今も中庭で庭木に水をまいていた所よ」


 ぽたぽた

 よく見ると庭木から水が滴っているし、彼女の手には大きなジョーロが。ずっと先程からここに居たという、たたずまいではある。


「きゅうぅ~」(いやマリは確かにいなかったぜっ)

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