確約的な物が欲しいなァ
「大将首はちょっと……」
俺のチュウチョする言葉に途端に怖い顔になるダルアガート。
「おい、お前裏切るつもりじゃねーだろーな! エーリュクなんて出世してこの砦の責任者の将軍になったんだからな。この砦も常備軍1万に増強されてる。そいつら全滅の憂き目にあわせるかどうかは、全部お前が大将首取れるかどうかに掛かってるんだぜ?」
ヒッとうとう大将首取る事前提に詰めて来た。
「ダルアガート殿あまり脅さないで下さい。彼の実力があれば我らを無視して好き勝手する事など造作も無い事です。それをわざわざここに来てくれただけでも彼の優しさだと理解するべきですよ、ねっ」
うっ実質温和なエーリョク君からも念押しされた。それだけ怒りがこもっている訳で。でも銀竜村のゴブリン達には何て言えば良いだろう。俺が攻めに行く砦を全力で守ってよテヘッとか言ったらさすがにゴブリン達もハァッ? てブチ切れしちゃうでしょ。師匠に無理やり行く様に命令してもらうのも鬼の所業だし悩むよ。
「まあそうだな。しかしだな~確約的な物が欲しいよな~」
「確かに! そうですよね、確約的な物が欲しいですね」
「念書とか?」
「いいえ、我らに念書を出した所で反故にされる事もあるでしょう」
「うんうんあるある! あるよな~」
顔を見合わせる二人。ヤバイ、こいつら二人で何かたくらんでるでしょ?
「ではどうすれば良いのだ?」
うっ聞いてしまった~。
「そうだな~エーリュク殿何かあるかね?」
「あっそうだっ我が王様の御前にまで行って、今回の大戦に参陣すると確約して下さい。あの美しいエルヤ姫も証人になってくれる事でしょう……ねえ」
チラリ
本当は心根が優しいエーリョクが内心ちょっと緊張しているのが分かる。こういう所を見ると強気に出れ無いよ。
「どうなんだよ!」
「分かったよ。今からゼブランド王の所に挨拶に行くよ」
「おおっ」「それは良い」
だけど俺は多少無理してすごんだ顔をした。
「ゴブリン傭兵300は出そう、けれど無駄死にさせるような使い方したら許さんからな」
「それは任せてくれ」
「当たり前です」
それでも俺は気分が重たいまま王国首都に向かった。
ーゼブランド王国首都城
気分が重たいままいつもの手口で城に侵入した。やっぱり王様は家臣達の前でああでも無いこうでも無いと策を練っていた。
「どうも」
と、そこへ前の様に現れる俺。当然この人達は、俺がユリナスで侵攻してくるアルパカインゼット王国から領地をもらってて、さらにアルフレッドの副官と決まってるなんて知らない。




