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第17次遠征隊?


 チラリつんつん

 俺がビスマスの顔を見るのと彼女が肘で俺をつつくのは、ほぼ同時だった。


「聞いた事ある?」

「これはアレだ、彼女の頭の中にだけある、メルヘンな国の事で……」

「あ~~」


 ズズイッ

 と、突然自称フレエル王女が迫って来る。怖いな。


「貴方ッ! 今わたくしの事を可哀そうな不思議ちゃんみたいに言っていたでしょう? 本当にウサミミとワニに囲まれし小さき王国はあるんですっあぁ貴方達にわたくしの美しい故郷をお見せしたいですよ!」


 目の前でこんな可愛い子に力説されると、そうなのかなあと思って来た。


「あ、ああ、はい!」


 むすっ

 すると突然ビスマスが不機嫌になった。


「何鼻の下を伸ばしている?」


 ハッもしかしてビスマス、王女に嫉妬しているのか!? まさかね……しかし俺の視界に嬉しそうに国宝鏡を持つサイモンの姿が見えた。


「そうだっその鏡を」

「やめろっ今はタイミング的にまずい。今言うと盗賊と同じと思われるぞ。所在が分かった以上、焦る必要は無いんだ」


「確かに! そうだね~」



 そのサイモンが落ち着いて来たのか口を開いた。


「貴方は見た目通りお姫様だったのですね、お二人も含めて命をお助け頂きありがとう御座います。それはそうとお姫様を置いて逃げた馬車がどうなったか、探しませんと」


 何だよお姫様置いてけぼりかよ。


「そうです! もともと馬車の出発が遅れたりこの森で迷ったりしていたのですが、今日の第17次遠征隊の出発には到底間に合う事は無い様です。ですからわたくしはもう焦っておりませんよ」


 第17次遠征隊、何だそりゃ?


「はぁその遠征隊? か何かは知りませんが、貴方さまのご帰国する方法が無いのは確か。私が街に戻り馬か馬車を調達して来ましょうか? 命を助けて頂いたせめてものお礼代わりです」


 お姫さんはサッと手を上げた。


「いいですっ今から走って逃げて行った馬車を追い掛けますよ!」

「いや無理でしょ。そんなドレスで走って行ったらコケるかまたモンスターか盗賊に襲われるだけだよ。家臣が本当に逃げたのなら罰を与えなきゃ」


「いいです、お気遣いしないで下さい。逃げた家臣には帰国すればしっかり罰を与えますよ」


 にこっ

 天使の様な笑顔で罰を与えますよと言われると、それはそれで怖い。



「ビスマスにこいつはナスビィー、アルパカ軍だ。だがお姫さまどうだろうか、その第17次調査隊とやらの出発に間に合う様にすれば、何かお礼を頂けるかな?」


 チラリ

 ビスマスはサイモンの鏡を横目で見た。


「遠征隊です。確かに出発に間に合えばお礼をしたいですね。私の故郷で精一杯のおもてなしをしますよ!」

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