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おいてけぼり


 しゅたっ

 訳も分からず倒れていたサイモンは起き上がって周囲を見る。


「ハッここはどこ、貴方は誰っ!?」

「アハハ落ち着いて下さい、貴方は何者かに殺されていたのでわたくしがサクッと蘇らせて差し上げましたよ」


 にこっ

 謎の王女は天使の様な笑顔で笑った。


「ハッッそうだ、私は盗賊に追われて……無い!? 大切な売り物の鏡が無い、とほほ」

「あらまあ。でも命あっての物種ですよ、取りあえず私の馬車に乗って下さい」

「そ、それはどうも。何とお礼をすれば良いやら」


 パカラッパカラッガサガサッ

 和やかな空気の中、突然森の中を騒がしい音が響いた。


「まだ仲間がいるかも知れねーぜ、探せ探せ~ヒャッハー!」


 ドキッ

 半日経ってすっかり盗賊はもう大丈夫だと思っていたサイモンと不審な声に驚く王女さんは、背中がビクッとはね上がったと同時に腰を低くする。


「と、取りあえず早くわたくしの馬車に急ぎましょう!」

「そうですね、どうも助かります」


 コソコソ……

 二人は息を殺してすぐ近くに居たはずの、馬車を停めた場所に戻ったが……


「あ、あれ居ない。どうした事でしょうか?」

「襲われたか、あるいは逃げたか」

「まあっ酷いですね!」


「他人事みたいですね、貴方の部下では??」

「どうしましょうか……」

「こちらへ、貴方に命を助けられた以上、男である私が貴方を守りますよっさぁ急ぎましょう!」

「わたくしの国はここから凄く遠いですよ」


 しかし二人は仕方なく森の中を南に歩き出した。

 ザッザ



 ー次の日も俺達は失われたカーミラーの鏡を探す事にした。


「ご主人様申し訳ありません。夜しか飛ぶ事が出来ないのが口惜しいです」

「いいよ、俺が無くした様な物だし」

「いえ、あれは聖女様に渡した物。貴方の責任ではございません」


 俺達は頭を下げるカーミラーや、手を振るヒイラギちゃん達を置いて城を出た。師匠とはまだちょっとギクシャクしているけど……


「おぅ来たか?」


 アルパカインの南の国境の森でビスマスと合流して、再び行商人を探す事にした。


「しかしなぁ国の周辺で駅馬車を探すのはまだしも、一歩国の外に出ると空をつかむ様な話だよなあ」

「お前がそんな事言っていてどうする? 旅人だろうが盗賊だろうが妖しい奴がいたら、片っぱしから捕まえて問い詰めれば良い。あたしはやるぞっじゃあな!」


「あっ待ってよ~」


 しかしビスマス鏡探しに積極的だなあ。彼女からすれば鏡なんてどうでも良いアイテムなのに、何かに没頭したいのかなあ。まあでも彼女とこうして行動出来るのは嬉しいけどね。



 ーしばらく後


「居ないなあ、駅馬車どころか旅人もいないよ。あ、ビスマス戻って来たか!」

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