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順調に遠ざかる鏡


 シィ~ン

 ごきゅりっこ、これは!? もう少し読み進めてみよう!


「あ、あふぅ……自らそっと白魚(しらうお)の様な細い指先で?」

「やめろって」


 ポカッ

 突然ビスマスに殴られた。


「でもこの古文書の謎を解明しないと」

「それはただの官能(かんのう)小説だ」


 へっカンノウ?


「そうだよ、その手の小説が欲しい若者の為に都会で買いあさっては行商してるんだ。決して個人の趣味ではないからなっ」


 袋の中身を見たが、大量の本以外に鏡などは無かった。し、しまった!?

 ガバッ

 俺は光の速さで地面に額をこすり付けて土下座した。


「銀化!」


 シャキッ

 さらに早業(はやわざ)で拳大の石をこっそり純銀に変える。


「くっ許せねえ、俺の傷付いた心はしばらく回復しそうにねえな」

「許してくだせえ、決して悪気は無かったんでさあ。おねげえしますだ」


 俺はひたすら土下座を続ける。


「ふ、ふん、土下座くらいなら誰にでも出来る! 27歳になるまでこんな大恥をかかされた事はないね!」


 見た目より若っ。


「これを、これをお納めくだせえ。拳大の純銀でごぜえますだ」


 ひたすら下手に出て純銀を差し出した。

 バッ

 泣いていた男は光の速さで銀を奪い取る。

 ズシッ


「マジか!? これが全部純銀だと……」

「それは本当に純銀だぞ。あたしにも免じて許してくれないか」

「デヘッあんた全身青いけど美人だな。まあこの純銀くれるんなら、傷付いた心も回復しそうだよ」


 本当かよ、現金だな!


「ありがとうごぜえますだ~」

「ふぅ鏡はいちから探し直さないとな」

「ちょ、待てよ」


 ドキッ

 もっと渡せってか?


「何だ?」

「あんた珍しい鏡を探しているのか? 実は昨日同じ茶色に紫の服を着ていて、俺に似てハゲてヒゲの男が居たんで意気投合して飲んだのだが、今日出発前に珍しい鏡を手に入れたと大喜びしていたよ。何でも貴重な品に飢えている南の小国に行って売るとか言っていたな……」


 えっ。


「そ、その男の名前と行先を教えてくれませんか?」

「確かサイモンて言ってたな。駅馬車に乗って南に行くと言っていたよ。ただ駅馬車はヒンパンに出てるからどれに乗ったかまでは」


「うお、有力情報ありがとう!!」

「助かったぞ。官能小説読み過ぎて目を悪くするな」

「う、うんありがとう気をつけ、いや読んで無いから!?」


 舌ぺろってビスマス? 可愛いなあ。

 


「再び空から駅馬車を片っぱしから追跡するぞ!」

「おおっ」


 シュババッ

 俺達は各自飛ぶと、それぞれ駅馬車を見つけてはガサ入れを開始した。

 ガラガラガラッ


「すいませんアルパカ軍の者です、中を改めさせてもらいます!」

 

 駅馬車の御者に適当な事を言って止めさせ、ホロの中を点検する。

 ガバッ

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