忘れてた、姫帰還
「そうだった、ファニー早速お城まで飛んで行こうよ」
「嫌だっ! まだここで遊んで行くのだっ」
こらこら、君のお忍び遊びで皆が迷惑してるんだぞ。
「ダメだよ、今度は俺達が誘拐犯扱いされちゃうよ」
「本当だわ、早くこの銀竜さん共々連れてってよね!」
そんな憎々し気に指を指さなくとも。
「むむーーっ仕方無いのぅ一度帰るか……」
「じゃあマリ、師匠気持ちよさそうに寝てるし、ここで休憩させてあげて!」
「何でーーーーーっ!?」
「どうしてそんな意地悪言うの? とても良い人だよ」
冒険者をバンバン倒しまくって来た人だけど……
「ふざけないでよっっ!」
「ユリナス、いっぺん帰る気になったらとことん早く帰りたくなったぞよ、はよぅせい!」
はは、やっぱりお姫様は気まぐれだな。
「はい、お姫様抱っこ!」
ぱしっ
俺は恒例となった、倒れ込むファニーを後ろから抱き抱える。
「じゃあお城行ってる間、師匠の相手頼むね!」
「ひぃいいいい、いい嫌よっ何でそんな事しなくちゃいけないのよ」
「ゴメン、頼むよじゃっ!」
シュバッ
俺は手を振ると飛び上がった。怒り狂うマリがどんどん小さくなって行くよ……
「あっコラーーーッ!!!」
ギュイーーン
足裏から謎魔法物質を噴き出す俺は、目立たない様にお城の上空まで来た。
「どこら辺に降りたら良いのさ?」
「そうだなあ、まずは着替えたいゆえ、わらわの部屋のバルコニーに降りよ」
俺はファニーに指示されるまま、巨大なバルコニーにゆっくりと降下する。
しゅたっ
と、すぐにふくよかなメイドさんと目が合う。
「うっぎゃーーーーっ!!」
バタンッ
師匠に続いて二人目の失神者が……
「こらっアナベラッ気を失うでないわっ!」
「安心して、こう見えてもFランク回復師だから、回復魔法を掛けるよ」
んっファ~~
掌から出た回復魔法がアナベラさん? を癒して行く。
ばちっ
「はっおおお、王女様っ!? その銀ピカモンスターからお逃げを!!」
言った……俺が恐れていた事を早速言った。
「何を言っておる、モンスターなぞおらぬぞ、目の錯覚じゃ」
ぱちっ
言いながらウインクするファニー。
「ユリナス解除!」
シュインッ!
俺はいち早く銀化を解いた。
「ご安心を、俺は盗賊にさらわれた王女を救出した旅の冒険者です!」
「そうなのだー、それをいい感じに冷静に父上に伝えて欲しいのだ……」
何だか急激過ぎて飲み込めて無い感じもするけど、メイドさんはうんうんとうなづいた。
ガチャッ
バタバタバタ
「大変です! 大変で御座います!! お姫様がご帰還ですわよーーっ!!」
おいおい凄い大声……
「大袈裟にするなと言うのに」
「それだけ心配されてたんだよ、少しくらい怒られて当然だよ」
すぐに俺達は王様の部屋に案内された。




