表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/515

スキルもらうb


「という事はつまり……」


 喰われる日か? もう一年が経ったって事? 早いなー。


「どうじゃ?」


 ん? 師匠は目を閉じて姿勢を正したけど、どうじゃの意味が不明。何が正解?? どんな答えを期待してるんだろうか良く分からないよ。


「凄いっス! さすが師匠の人化の魔法はハンパが無いですよっ! 感動しましたっ!!」


 俺は両手でガッツポーズしつつ最大限褒めた。

 ぷくーっ

 だが人化した師匠の頬が激しく膨らむ。え、違った? でも結局食べられるしな……


「……もっと他に気になる部分があるじゃろうが?」

「と、言いますと?」

「……例えばじゃな、え師匠って女性だったんですか? とか、そそ想像していたより凄く綺麗です……とかあるじゃろー?」


 チラリ

 師匠が気持ち斜めに俺を見て来る。


「はぁ、師匠ってメスだったんですねえ、てっきりジーサンかと……」


 バキッ

 いきなりグーで殴られる。ヤバイ、竜の姿なら死んでる所だ。


「痛い?」

「そんな言い方があるかーっ! もう良いわ。本題に入ろうか」



 はいはい一年越しのお食事の時間ですか……


「覚悟は出来ております師匠」

「何を勘違いしておる? もはや食べたりはせんぞ。むしろ帰してやるオヌシに餞別代わりに【尽きぬ銀貨】の正体、ユニークスキル【銀化】をやろう」


 一瞬言っている事が理解出来なかったが、ななんだとー? 帰してやるだと?? 出れるのかよここから……


「いや~、とか言ってバクッと?」

「そんな趣味の悪い事はせんわ! 手を出してみい?」


 俺は仕方なく手を出してみた。

 すっ

 俺の手を握る女性形態の師匠の手は柔らかく温かい。

 ファァーーッ

 師匠が変化した時の様に、光が俺の手に集中する。


「うっ熱い?」

「完了じゃ、オヌシが望む物に【銀化】と言えば何でも永久に銀に変える事が出来る。まがい物じゃないぞ、本物の銀に代わるんじゃ、これが尽きぬ銀貨の正体じゃ」


 マジカー? そんな凄い能力を……


「試してみてもいいですか?」

「よいぞ」



 俺は手短にあったほうきを握った。


「銀化!」


 シャキッ!

 はやっ!! 俺が握っていたホウキは一瞬で銀製になって凄く重くなった。

 ゴトッ


「どうじゃ?」

「凄い、ありがとうございます師匠!!」


 だきっ

 俺は思わず師匠に抱き着いてしまう。


「もし……もしユリナスが、このままここに居たいと言うなら……」

「ありがとうございます! こんな凄い能力をくれて、しかも外に帰してくれるなんて!?」


 その時は気付いていなかったが、師匠の顔は少し曇っていた訳で。


  一年の間にシルバー・リリー・ドラゴンはユリナスを溺愛していたので御座います……

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ししょーとお別れしたくないのですが! ろくな知り合いがいそうもない外には戻らず、ここに永久就職すべきなんじゃ?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ