部屋に入れてよ
「めんどくさい師匠とやらであるなあ?」
「シッ! 食べられちゃうよ!」
俺は慌ててファニーを黙らせた。でも鎧のお陰か、師匠は俺の事は覚えててくれたみたい。
「師匠、俺今凄く困ってる事があって、どうしても相談しないとダメなんですよ」
シィーーン
ムッ反応が無い。
「あの~~?」
「……つまりワシに会いたくて会いたくて仕方ないという事なのじゃな?」
「確かにそうかも知れませんが」
ギギッビガー!
3スンディ程ドアが開く。げげっその奥の闇から光る瞳が!
「べ、別にワシはお主の事を待ちわびておった訳じゃ無いのじゃからなっ!」
「もう良いから開けてくれませんかあ!?」
「何やら恥ずかしい師匠だなあ」
ガチャッ
部屋に入れてもらうだけでえらい時間が掛かった。
「お邪魔しま~~す」
うっこれは一体!? 入ってひと目でボス部屋の異様な変化に気付いた。
「何だこれは、妙な人形だらけではないか?」
ファニーが気軽に謎の人形を触る。
「シャーッ!! 触るでないわっ! これはユリナスをかたどった手製の推しぬいじゃ、ワシかユリナス以外は触る事まかりならんっ!」
おし、俺のおしぬいって何?? ファニーが小声で耳打ちする。
コソッ
「やはり師匠とはヤバイ奴なのか?」
「こらっ師匠の機嫌をそこねないでよ」
でも完全には否定出来ない気が。師匠は大事そうにおしぬいをなでているよ……
ーわずかに会えない二日程の間に、シルバー・リリー・ドラゴンのユリナスへの溺愛はさらに超加速を始めていたので御座います。
俺はやっと本題に入った。
「師匠、実は相談があって……」
「その前にその横のメスの素性を述べよ。ただし彼女やフィアンセという答えだけは無い物と信じるぞ」
メスって。聞いといて答え限定するんだ? まあでも会ったばかりで実際彼女でもフィアンセでも無いしな。
「わらわはフィアンセのエディファニー姫じゃ」
「うっワーーッ!?」
人間形態ながらドラゴンの迫力を感じさせる恐ろしい表情に変わる師匠。うげげ余計な事言わないでよ!?
「な・に?」
「違います! この子盗賊から助けたばかりでショック状態でひどい妄想を話してるんです」
「ナルホド~じゃろうなあよきよき」
途端に師匠は明るい顔になる。
「生き残る為とはいえ酷い言い草ではないか?」
等と小声で言いながら怒らないファニーは実は大人なのかも。
「お願いします! もうそろそろ本題行っていいですか?」
俺は多少切羽詰まって来た。
「何じゃ、めんどくさい奴じゃのぅ」
え、どっちが?
「師匠、俺の姿を見て何かピンと来ませんか?」
という言葉を聞いて、師匠は最初首をかしげていたが。
ぷくーっ
急に頬を膨らませた。え、何でーー?
「ユリナス自分の変化など問う前に、何でワシの可愛いフリフリドレス姿を褒めてくれぬ!? 意地悪ッ」
え? 全身銀ピカの俺より自分のドレスですか。
「うーん、でも師匠の場合可愛いフリフリドレスよりも、黒いピチッとしたコスチュームにムチでも持ってる方が似合ってる気が……」
「ワシはどんなイメージじゃ!!」
ー銀竜はハードな生態と内面の少女趣味のギャップが激しかったので御座います。




