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呼び止めの声


 うっようやく俺の領地か。ふぅー二つも領地もらえてラッキー程度の考えだったけど、遠征の途中に寄るって喜んで良いんだか分からないよ。


「ははー」

「良かったなユリナス、下ヴァーグトーアはとても良い所だよ」

「ならばワシも行くのじゃ、王様許して欲しいのじゃー」


 師匠も来てくれるなら心強いよ。


「うむ許可しよう」

「王様とてもありがとうなのじゃ」


 師匠も頭を下げた。それ文法あってるの?


「うむしっかり役目をこなせよ! 今回はこれで閉会とする。下がって良いぞ」

「ははー」


 皆そろって頭を下げた。王様も自室に下がって行った……気が重いよ。



「ユリナス殿、一週間で兵百名しかと揃える様に。確かそなたのカピパラの領地には強きゴブリン傭兵共がいるとか、その者達を呼んでくるのかね?」


 ケンカ売ってるのか! ゼブランドの砦でゴブリン傭兵は当のアンタの軍と戦ったばかり、その上俺の銀竜村まで攻めて来たクセに! しれっと他人ごとの様に言いやがって、いつか村を襲った礼はするからな、多分……


「いえ彼らにも生活がありますので浪人を集めます」


 浪人とか集まるかな。


「はっはっはっ浪人を集める? それは大変だね。そうだっ実はうちの幕僚にカールという記憶を無くした男が居てね、君に会えば何か思い出すかも知れないね?」


 くっそー笑いながら目だけ冷静に俺の事を見るアルデリーゼ。いや、むしろそこにヒイラギちゃんを連れてって兄妹を会わせてみるか? それで記憶が戻ったらメンドクサイこと全部ぶっちぎって、師匠と兄妹と一緒にもうこの国からトンズラしよう。アルフレッドやレミランにはまた会えるさ。


「何の事か良く分かりませんが、会えるのを楽しみにしております」

「はっはっはっ良い心掛けだ。ドルフィンナーゼは腰抜けの国、戦いになどなりはしないが兵百名しかと集めておけよ! リリー・サマー殿またお会いするのを楽しみにしております」


「ワシもじゃー」


 適当だな師匠。でもやっぱり何で一回戦ったこいつの風下に立たなきゃいけないんだよっ。とか思っていたら笑いながら去って行った。


「ユリナスとても名誉な事だよ。兄上は嫌味な所もあるけど悪い人じゃ無いんだ頑張ってくれ。早速新しい部屋に案内しよう!」


 悪い人にしか見えませんよ!


「お、おう……」

「ユリナス頑張って」

「ユリナス見事こなしてみてよ!」


 ふぅーレミランもシャリィもそんな悪い事をする感じに見えて無いんだ? これが大国の普通か、感覚のズレか。



「ユリナス殿待ちなさい」


 ビクッ

 突然アウレリアーナが俺を呼び止めた。ヤバッ忘れてた、俺の事うたがってる??


「は、はぁ何でございましょうか?」

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