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再会、勘違い


 ルウィナの顔がピクッと反応した。


「じゃあ奴は何でアルパダ様の前で殴られっぱなしだったんだ?」

「……相手は王族だから忖度したんじゃ無いのかい?」

「そもそも肌色していただろう」


 キラン、パシッ!

 ルウィナは掌で【尽きぬ銀貨】の偽コインをもてあそんだ。


「もしかしたら銀竜シルバー・リリー・ドラゴンとユリナスは何か関係があるのかも知れん!」

「どんな関係だい?」

「今は分からん! けれど気が付いたら蘇って一年経ってたなんて嘘くさ過ぎるだろう」


「奴に何か蘇った秘密があるのかい。あの師匠のリリーてのも、うさんくさいねえ」

「あの強さも気になる。名前も銀竜と同じ、竜の巫女か何かか?」


 とは言え、二人もまさかリリー・サマーがあの銀竜その人当人であるとは、思いもしていなかったので御座いました。


「とにかく奴が強さを隠しているのは、奴も腹黒い事を考えてる証拠さ!」

「その前にウチらが大王に正体がバレたら死刑にされてしまうけど」

「だから、その前に俺達が奴の正体を暴けば勝機はある!」


 二人は目を光らせて顔を見合わせた。



 ーそんな事とはつゆ知らず、ユリナスはお気楽に下層に探検に来たので御座いました。


「ふむふむココが下層か、ていうか1階か。監視兵さん達との数少ない会話で、なんとか売店とか冒険者ギルドがある事は知っていたけど、ちょっとした小さい街並みの活気があるなあ!」


 シュタッ

 ユリナスは天井から降りて雑踏に混じると、そっとほっかむりと仮面を取ったので御座います。


「ユリナス解除!」


 ふふふ、しめしめ誰も俺の事なんか知らない。特に下層は市民の出入りがあるからな。冒険者らしく冒険者ギルドでも見てみるかな……等と考えていた時だった。


 タッタッタッタ……

 あの姿もしかして、えっレミラン!? なんだか彼女泣いている様な……追い掛けよう! 俺は軟禁されている立場なのに思わず追い掛けてしまう。


「待って!」

「えっユリナス……何でそっちから出て来るの!?」


 俺は階段とは逆方向から現れて驚かれた様だ。その前に軟禁されてるしね。


「君こそ何で泣いているの?」

「酷い言い方! いつもあんな事してるの??」


 ドキッもしかして見られたか?


「いつもじゃない、ああするしか仕方無かったんだ」

「……脅されて嫌々なの?」

「違う、洗脳されてるんだっ」


 レミランも女間者なのか?


「酷い! それで死んだ様に眠ってて」

「君は、どこまで見たんだい!?」

「全部よっ全部見たんだからっ恥ずかしくないの!?」


 ー会話は壮絶に嚙み合ってなかったので御座います。

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