貴様、決闘だっ!!
「そうです、珍しく私もアルパダ兄上と同じ意見です」
「へへーどうした風の吹き回しだ?」
今度はアルデリーゼが俺に指を指しながら叫んだ。
「その男はカピパララインである銀細工師の館に出入りしておりました。銀細工師と言えば鍛冶屋や古物商とも付き合いがある者。この男はその銀細工師の繋がりで畏れ多くも闇市に流れていた我が叔父上の鎧の情報を知り、それを汚い手で入手した上で気だてが優しいアルフレッドに取り入り、やがてはこの栄光のアルパカインゼット王国すら乗っ取る手筈なのです!」
どビシッ!
話の筋が通っている! って俺が感心する事じゃないか。
「するとワシもその一味なのじゃな?」
「い、いえ美しいリリーサマー殿もユリナスに騙されておるのです。私が貴方を全力でお守りしますから」
「ほぅ?」
なんと都合の良い解釈だよ、結局全部俺が悪い事にしたいんじゃん! しかし……唯一の証人であるルウィナとコールディがこの部屋に居る。どうした物か?
コールディには俺が銀ピカ姿で強い所をバッチリ見られている。しかしそれが銀竜の加護かどうか知ってる物かな。何と言ってもルウィナは偽情報の【尽きぬ銀貨】を喜んで持って帰った口だしな。もう少し温存して見るか?
「へっ俺も虫唾が走るがアルデと同じ考えだぜっ親父今すぐこの男の首をはねるんだ!」
アルデがビュッと首をはねるジェスチャーをする。
「お待ち下さい兄上達も父上も、確かにユリナスは最底辺のFランク回復師ですが、王国に向けて悪事を働く様な大それた男では決してありません!」
アルフレッドようやく物申してくれたか、嬉しいよ!
「ぐむぅ……確かにアルフが言う通り、この小者そんな大悪党には決して見えぬ。それに現にこうして兄上の鎧を持って帰って来てくれたのじゃ」
小者言うな。
「じゃあこうしようぜっ! この男が叔父上の鎧を持つにふさわしい男かどうか、俺と決闘して見定め様じゃねーかよっ! それだったら乗っ取るとか計画とか関係ねーだろ?」
「その通りだっとても嫌だが兄上アルパダの言う通り、力で見定めるまでだな」
アルフが不安気に顔を見る中、父王は決断した。
「確かに一理ある」
「父上?」
「ちょ、ちょっと待ってくれ。俺はもともと回復師で剣士じゃ無いし、アルパダ様には絶対に勝てないよ」
本当に! する前から勝負は見えてるよ。基本加護があるから死ぬ事は無いだろうけど……
「では鎧を脱げ! 体術だけで決闘だっ」
「うむ、そうだな。ユリナスから鎧と剣を没収せよ、体術でアルパダと決闘せよ」
えーーっ?




