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ズバァー


 ギャギャッ

 あざ笑う様に飛ぶ森のコウモリ達。


「こんな奴、俺の剣で十分だっ!!」


 ズバァーーーッ

 彼は走って行くと、3匹程のコウモリを簡単に切り裂いた。ふぅ雑魚で助かった。


 こんな感じでザコ敵ばかりを次々倒して行くアルフレッド達。アルフレッドはちょっと強くなってるかも。運も良いかも知れない。



「ギャーーーーッ」


 突然森の中に叫び声が……断末魔って感じだな。


「やだ、今度は何!?」

「何かが来るかも知れない、二人とも警戒だっ」


 チャキッ

 アルフレッドは剣を握り直した。

 

 たっし!

 と、突然森の高い木々の間から空間転移でもして来た様に、口を血まみれにしたマンティコアが降りて来た。俺も三人も一瞬声が出なかった。さっきの叫び声はコイツに誰かが襲われて死んだのか……


「カネヲダセ」

「やだっしゃべった!?」

「いくら出せばいいの」

「知能は低い、人間の真似をしてるだけだっ」


 マンティコアは中ボスレベルの敵でAランク冒険者でなんとか丁度良いくらいだ。彼らじゃ完全に太刀打ち出来ないだろう。やっぱり運が悪い!?


「どうするの?」

「ここは俺がくいとめるっ君達は走って砦に逃げろ! そこでまた……牢に入れてもらえっ!!」


 出たっ俺がくい止める発言! 英雄っぽいけど、また牢に入れてもらえってダサくないか。 


「嫌よっ貴方を置いて逃げるなんて出来ないよっ」

「い、行きましょ、レミランお言葉に甘えて行きましょ!」


 シャリィ現金だな。


「全身銀化」


 俺は腹話術の様に小声で解いていた銀化をまた掛けた。鎧の下で全身が銀色に変わって行く。

 シュワ~


 目の前では襲い掛かって来るマンティコアの巨大な口に向けて、アルフレッドが震えながら剣を振ろうかという時であった。



 シュタッッ、シュババッズバァーーーーーーッ!!

 ひとっ飛びで彼を追い越すと、目の前に迫るマンティコアの口に手刀を食い込ませ、そのまま口からアジの開きの様に巨体を切り裂いてやった。


「ぐがあ!?」


 んズシャアアアアーーーーッザザーーッ

 一瞬だけ何か叫びそうになったマンティコアだが、俺が二つに引き割いて言葉にならずにそのまま死んだ。そして目の前には真っ二つになった死体が血まみれで転がっている。


「ヒィイイイイッ」

「ギャーーッ」


 レミランとシャリィが死体を見て叫び声を上げた……


「どういうつもりだっ!?」


 一瞬あっけに取られてたアルフレッドも叫んだ。

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