ソ、ソラ!?(二回目)
俺達も帰りは、ダンジョン脱出アイテムのお香で一気に外に出た。
シュバッ!
たっしっ
地上に降り立った瞬間、目の前の入口には舌を出してひっくり返り、ぴくりとも動かないソラの死体があった……
「ソラーーッ!? アイツにやられたのかーークソーーーッ!!」
「ひ、酷い!?」
ぎゅうっ
俺は号泣しながらソラの首を絞める程に抱き締めた。
「きゅ、きゅう~~」(苦しいって。だから勝手に殺すなよ……)
「そ、ソラ?」
ヒイラギがソラの体を調べまくる。
ぺたぺた
「ご安心を、頭部に強打の後とタンコブがあるだけで、その他はご無事な様です」
「気絶させられていただけでしょう」
俺が回復魔法を掛けてやるとソラは元気に復活した。
「きゅう~~!」
「良かったなあ。でもヴェルディグリの奴め腹いせにソラを殴って行ったな、今度会ったら許さないぞ」
俺は一瞬だけ銀竜村に挨拶するべきかと迷ったが、やはり直で街に帰る事にした。
「疲れたんで一旦家に帰るよ……お茶くらい出すかな?」
「はい!」
「ありがとう御座います!」
残り10万早く払わないと。
シュババッ!
はぁまた2時間掛けて帰って来た……
ーマリの館
「ただいま~」
「お邪魔します」
帰ると二人が店にいてホッとするよ。
「時間が掛かったのぅ」
「あらおかえりなさ……二人はどなたなの?」
「良く分からないんだ!」
「怖い事言わないでよ」
俺も師匠もマリも振り返って二人を見た。
「我らは修行中の暗殺者です! 気配を消しておきますのでお気になさらずに」
「お気になるわよ、暗殺者って物騒ねえ」
マリが主婦の様に頬に手を当てた。
「ご安心を、修行中の身ですのでまだ一人も暗殺しておりません」
「師匠が飲んだくれで修行が進まず、そんな時にナスビィー様に出会いました」
「ちゃんと家はあるんでしょうねえ?」
「はい追い出され掛けていた所をこの御方に助けられました!」
二人は俺が渡した金を見せた。あとは残り10万払えばお別れかな?
「解除!」
カチャッシュワ~~
仮面を外し全身銀化を解除した。遂に二人の前で正体を明かす。
「ナスビィーさま!?」
「実は俺、本当はユリナスって言うFランク回復師なんだ、誰にもバラさないでね?」
ふぅこれを言えば俺が凄い奴なんて誤解しないだろう。
「かしこまりました」
「命を懸けて秘密を守り抜きます所存!」
うーん、そんな必死に守らなくても大丈夫だけど。窓口お姉さんにもバレてるし。




