日常、人助け
ー次の日
一応俺は街中を警戒してアルデリーゼや手の者が居ないか探したが、もはや影も形も無かった。
「兵隊なんかも居ないし、いきなりここに攻めて来る訳ないか……」
そうすると銀化を解いてソラの元に向かった。
ーハイザン廃鉱山
ばっさばっさ~
俺はそのままソラに跨りこのダンジョンにやって来た。新たな場所を開拓するよりもここを攻略した方が早くて簡単だ。
「よーしソラ、お前はこの辺りで餌を漁っててくれ! でもくれぐれもアレは食べちゃダメだぞ?」
「きゅ~~」
飛竜のソラは可愛いアザラシの様な声で懐いて来る。よしよし俺は頭を撫ぜるとそのままダンジョンに降りて行った。
ザッザザッザ
ー第一層、無視。
ザッザザッザ
ー第二層、無視。
ザッザザッザ
ーそして第三層
「グオオーーーッ」 「ギャフゥーーッ!」
ドタドタドタ バサバサ……
第一層に降りた時からずっとコウモリ系アンデッド系、鉱物系のモンスターに蚊の様に襲われ続けている。
けれど銀化した俺の身体には傷一つ付ける事が出来ずに、首を傾げて通り過ぎて行く。
カンカン!
たまに追い掛けて来る敵はうっとおしいので、仕方なしにライトニングスプラッシュで掃討して行く。凄く手抜きなダンジョン攻略だ。
「よし、最後の黄金のゴーレムだな」
ボス部屋の前で一応気合を入れておく。
ガガガガガッ
巨大な石の扉が開くとボス部屋の中心には、光り輝く巨大なゴーレムが仁王立ちしていた。
「ウゴオ~~~~~」
お、復活してんな? お前らどんな生態なんだよ……だが悪いな、お前は敵では無い!
「ライトニングスプラッシュ!」
キラキラッ! シュババッ!
俺の頭上に出現した回転する光の魔法陣から無数の光の矢が飛び出ると、黄金のゴーレムの巨体を一気に貫いて砕いた。
ゴシャッ!! バラッ
可哀そうだけど一瞬で元気だったアイツは粉々になってしまった。一応強い奴なんだけどな。
「どれどれ、何が出たかな~~? おっゴーレムの頭かぁ」
粉々になった光る体の中からアイテムの1/10ゴーレム像の頭を発見する。
これは胴体と手足と組み合わせると高額で売れるアイテムになるのだが、たま~に全身が揃った状態で出る事もある。他の破片は純金では無いので特に売れない。
ー数日後
またまた手軽にカネになるこの洞窟にやって来る。というか俺は早く1/10ゴーレム像を完成させたくて仕方が無いのかも知れない。
ガガガッ
いつもの様にボス部屋の扉が開くが……
ガチューーンッ! バキッドギャッッ
「早く弱点に攻撃をしてっ!」
「動いてて上手く出来ない!」
ゲッ既に先客が居た……




