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小ネタ⑨ 突に湯う……


「ふぅ仕方が無いね……ごくり」


 俺は多少震える手で服を脱ぎ始めた。

 ぬぎっ


「お、おいユリナス何をやっておる?」

「いや、女湯に入ってカピ様を止めるのに服は脱がないと……」

「何故脱ぐ必要があるか? 暴れるカピ様を止めるだけで、お主は湯に入る訳ではあるまい」


 ハッ

 俺は目をまん丸にした。


「……でもこれだけは分かって欲しいんだ、俺は決して女湯に喜んで入る訳じゃない」

「何を言うておる? カピ様を倒す為……つべこべ言わずに女湯に入れっ王女が許そうぞ!!」


 ビシッ

 王女に指を指されて許可をもらった。俺はもう決心を付ける時が来た様だ。



 一方その頃女湯の中

 わしゃわしゃ

 クヌアーとゴブルラはカピ様をごしごし洗っていた。


「こら暴れるんじゃないよぉ」

「カピーッ!」(気持ち良い……俺はだんだん変な気持ちになって来たよ)

「こらっブルブルすんじゃない!」


 二人とカピ様はこの温泉の中で注目の的となっていた。



 ー入口に戻る


「入るぞ……」

「だから早く入れっ! 急いでおるのだ」


 ぐっ

 俺は遂に女湯の入口のドアを開けようとする。


「……ナスビィーこんな所で何をやっている?」


 ドキッ

 いきなり秘密の名前を呼ばれて振り向くと、彼女が居た。


「ビスマス、何故君がここに?」


 アルデリーゼと手を取り合って去られて以来の再会であった。


 あの後二人はどうなっていたのか? 物凄く興味があるが今急いでいるし、余計な事を聞いてまた嫌な気分になる必要も無い。今は自然に接しようと思った。


「何を言う女湯に女のあたしが居て何が悪い? むしろお前こそ何をしようとしている」


 確かに! 俺の方がよっぽど不審人物だよ。



「この女が噂の青い女か? 確かに全身青い服を着ているな」

「ふふ、蒼いのは服だけでは無いぞ、肌も髪も蒼いのさ」

 

 ジーーッ

 ビスマスは俺の目の前でピッチリとしたボディスーツのジッパーを降ろし始めた。


「ちょっコラ、何をしてるんだ?」

「お前こそ女湯の脱衣所に入って、何常識人のフリをしている?」


 確かに!!

 ぬぎっ


 言っている間も彼女はどんどんと上着を脱ごうとして、両肩から蒼い背中が露になった。うっ下着を付けていない……


「確かこの女も強いのだな? ならば話は早い、そなたナスビィーの代わりに女湯に入って黄金毛なカピパラを捕まえてくれんか? そこそこ強いぞ」


「何だモンスター絡みか? 面白いぞそれくらい簡単に捕まえてやろう!」

「チッ」


 二人の会話を聞いて俺は何故か安堵する心とは裏腹に舌打ちしていた……何故だ!?


「今舌打ちしたか?」

「いいやっ!」

「ならば良い、背中を向け」

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