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小ネタ⑧ 銀竜村温泉、聖女への危機


「じゃあお言葉に甘えて、あたしゃちょっと入ってみるかねえ?」


 スクッ

 クヌアーが立ち上がるとゴロも釣られて立ち上がろうとする。


「じゃ俺もグヘヘ」

「何言ってるんだい? お前は村の全財産を守る為に、館が完成するまでは風呂は禁止だよ!」

「えええ? そりゃあないぜ~~」


 泣きそうな顔になるゴロの横でゴブルラが立った。


「よし、新代官には我が付き従おう」

「それはいいねえ、アンタ良い身体してそうだから、きっちり点検してやるよ」

「な、何を言っている?」


 ポッとゴブルラは頬を赤らめた。



 キュピィーーーン!

 その時子供二人から逃げる最中のカピ様の黄金のタテガミが反応した。


「カピッ!?」(うっ今妙齢の女二人が温泉に入る予感がしたぜっこれは急がにゃならんな!)


 スタタッスタタッ

 カピ様は本能で銀竜村温泉へと向かった……


「わぁー待ってカピパラさぁーん」

「もう無理よゴブリィ」


 二人はカピ様追跡を諦めたのであった。



 ー銀竜村温泉露天風呂


「おやおやこんな立派な脱衣場があるなんて、こりゃ観光資源になりそうだねえ」

「そうか? 生まれた時からなんで当たり前と思っていたぞ」


 シュルリッ パサッ ふぁっさぁ~~

 二人は次々に服を脱いで行く。


「うふふドキドキするねえ」

「ジロジロ見るで無い……ん?」


 キュウキュウ

 足元で変な音がして二人は地面を見た。

 スリスリ


「おやっ可愛いカピちゃんだねえ、一緒に入るかい?」


 クヌアーはツキーの病室に居たカピ様を一切気にしていなかった……


「代官、危険だっ排除するべきだっ」


 ゴブルラがカピ様を蹴ろうとする。

 びゅわっ


「何言ってるんだい? こんな可愛いカピパラさんと混浴するのが夢だったんだよぉ」


 下着姿の色っぽいクヌアーはカピ様を抱き締めた。

 ぎゅっ


「夢……?」

「キュルッッ!」(良い女だ。よし決めた、この女とファースト混浴して聖女にしてやろう!)


 ーそうして二人はカピ様と共に露天風呂に入ってしまったので御座います。



 カポーン パチャッ カポーーン、ザバー

 まだ昼にも関わらず女風呂は主婦や老女などの客が多く居た。


「カピッ!」(さぁ早く混浴しようぜっ)

「そのカピパラ、臭く無いか?」

「そうだねぇ、このまま入るのは大迷惑だねえ、よしお姉さんと洗いっこしようねえ」

「キュッ!」(そんなんいらねえ、早く湯に入ろうぜっ)


 バシャーーッざばざばざばくしゅくしゅ

 クヌアーは泡でカピ様を洗い始めた。



 ー再び入口


 シュタッ

 今まさに俺とファニーは村人に尋ねて初めて知ったばかりの、この銀竜村温泉に辿り着いた。


 ドキッ

 上空から降下して着地する瞬間、露天風呂内部がチラッと見えたが既に客(女)が多くいた……

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