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小ネタ⑦ 混浴危機


 パタパタパタ

 彼女は俺達をカピパラを目撃したらしい個室に案内してくれた……ってあれ?


「ここって、まさか?」


 マリが目をパチクリさせる……


「ここは、ツキーの病室だよ……」

「クヌアーの家来か?」

「……」 「シッ!」


 物音がした気がして俺は声を潜めた。



「カピちゃんカピちゃん元気カピ~~」


 !! これはツキーの声!? 俺は遂にカピ様のしっぽを掴んだ。


 どバシッ、バーーーンッ!

 俺はドアを蹴破り、一気に病室に突入した。


「ツキー犯人はお前だっっ! おとなしくカピ様を返せっ!!」

「ひっ!?」


 俺達の顔を見たツキーは慌てて何かを後ろに隠した。

 ガサッ


「貴様~~何を隠しておる?」

「早く出しなさいツキーさん」

「おらおら白状しろ! それを出せっ」


 俺達は少し怖いが三人がかりでツキーの背中から木箱を奪った。

 んばっっ


「この中にカピ様が……って軽いな?」

「早く開けるのだっ!」

「か、返してくれ~~」

「わくわくするわね!?」 「やめろォ~~~!!」


 ツキーはまたも号泣しているが、俺達は無情にも箱を開けた。

 パカッ!



「え?」


 箱の中にはカピ様処か何も入っていなかった。

 ガラーン


「でも確かにカピちゃんってブツブツ言う声が……」

「うわーーーーーーっ」


 どさっ

 ツキーが床に崩れ落ちてさらに号泣した。


「ツキーさん黄金毛のカピ様はここにいたの?」


 しばらく泣き続けたツキーはようやく重い口を開いた。


「入魔院中もクヌアーさんは外で遊び歩いてばかり、一人で寂しくしている時にカピ様はふらっと俺の部屋にやって来てくれたんだ。それからは天国だったよ……彼は俺を楽しませてくれた……」


 恐らくカピ様が失踪扱いになる前の話だろうな……そんな前から?


「でもカピ様は今は居ない、どうしちゃったの?」

「す、全ては、カピ様がクヌアーさんが銀竜村に行ったって事を知ると、ある日突然態度を変えてしまったんだ」


 前に俺達がお見舞いに来た事か?


『キュルッ』(やっぱ俺も消えたあの女の所へ行くわーー)

『ちょっそんな事言わないでくれよ~~』

『カピッ』(じゃあな、あばよっ!)

『うおーーー戻ってくれええええええ』


 やっぱりカピ様もオス、ツキーよりクヌアーの方が良かったか。


「あの小さな体で銀竜村まで行けるのか俺は心配で……」

「優しいじゃない?」

「兵士が封鎖してるのに街を良く出れたな?」

「商人の馬車とかに忍び込んだんじゃない?」


 くわっ突然ファニーが怖い顔になって叫ぶ。


「な、何てことっ!? もしカピ様がクヌアーと最初に混浴してしまうと、クヌアーの奴がパワーアップして聖女になってしまうのだっ!?」


「な、何ですってッッ!?」


 え、聖女ってそんな簡単になれちゃうの?


「そうなの?」


 俺達は新たな危機を迎える事になった……

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