小ネタ⑥ 竜鼠激闘
「ギャフフッ」(ふっ汚い野ネズミなんて舐める趣味はねーな)
飛竜のソラはカピ様をあざ笑う様に羽をばたばたさせた。だがそれを見てカピ様は臆する事無く覚悟を決める。
「キュル~」(へへっどうやら言葉で言っても分からんヤツには体で分からせるしか無い様だぜ)
ザッ
カピ様の言葉を合図に二人は決死の戦闘態勢に入った。
「カピーッ!!」(はぁああああっ覇王斬八壁蓮翔波ッッ!!)
シュタタッシュタタッ
カピ様は最終奥義である、出っ歯を光らせながらの高速突進を開始した。
「ギャオオーーッ!」(ならば我が奥義も受けよ、フライング・ブラッドリー・ファングッ!!)
ばっさばっさ~~
ソラは空高く舞い上がると、一気に急降下を開始してするどい爪で切り裂きに掛かる。
ヒュイイィーーーン
タンッッ!!
ソラが地上に舞い降りる瞬間、カピ様もジャンプして迎え撃って出っ歯で斬り掛かった。
キュイィイイイーーーーーーーンッッ!!
二人の最強の爪と出っ歯が切り結び、辺りに閃光が走った。
ドォーーーーーーン!!
もはや最強魔法レベルの衝撃波を発し、周囲に嵐が巻き起こる。
シィーーーン
「キュルッ!」(ちっ全然効いちゃいねえ、化け物か!?)
「グガッ」(俺の必殺技を受けて五体満足だと!? どんな子ネズミだっ!)
ー実はソラは偶然一万匹に一頭の超希少優良種のワイバーンだったので御座います。(後付け設定)
バチッ
一瞬のヒットの瞬間から、二人は再び距離を取った。
じりっ
ばっさばっさ~~
二人は今まさに今度こそ必殺の一撃を繰り出そうと間合いを詰めていた。
「きゅるぅ~~」(次の一撃で……)
「ガガッ!」(……どちらかが死ぬ)
キュピーン!
どんな微細な空気の動きも見逃さない様に、二人の戦士の目が鋭く光った。
と、今まさに二人が相手の息の根を止めるべく動こうとした瞬間の事であった……
「ぎゃ~助けてくれ~~」
「陸ウミウシだ~~」
突如二人の耳に兵士達の叫び声が聞こえた。
「キュル?」(ちっ何だようるせーな!)
「ガッ」(くそっ呼吸が乱れた……)
だが二人は必殺の間合いを外す事が出来ず、睨み合いは続いた。
「な、何でこんな内陸部に陸ウミウシが!? しかもデカイ!!」
「くそっ魔法も武器も効かないぞっ」
「こんな事ではカピ様を探す処じゃ」
「キュピッ?」(俺を探している兵士なのか?)
「グガッ?」(何だよお前の身内かよ、情けねーな)
ソラはあきれ顔でカピ様を見る。
「キュルゥ~~」(くそっ勝負はお預けだっ俺は助けに行くっ!!)
シュタタッ
カピ様はソラを放置して、襲われている兵士達を助けに行った。
「ガーッ?」(ちっしゃーねーな、暇だし付き合ってやるかぁ?)
ほわんほわんほわ~~ん




