表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

16/580

青い女b


 いや、よく考えれば外国の隠密部隊なんて、その国から見たらエリートな一番真面目な連中なのか……だからって早朝に待ち合わせと言ってた奴を深夜に来るか? しかも3人組を起こさない様に静かに待機してる?? 実は優しい奴らなのか~?


「しかも人数多い! 総勢100人以上くらいいそうだ」


 こりゃだめだ、この出口では到底出られない。俺は静かにお姫様の部屋に戻り掛けた。

 そ~~



「止まれ」


 ビクッ

 暗闇の先から突然の声に俺の心臓は止まり掛ける。けど、あの3人の誰とも違う声な気がする。俺は刺激しない様、灯り魔法で相手を見た。


「動くなと言った」


 え? 光りの加減か?

 仮面に長い髪に女性的な鎧姿……けどとにかく青い。髪も鎧も隙間に見える肌も頬も全部青い。そういう種族、ゴブリンとかオークなのか?でも耳は丸いし人間の様だが。全身青く塗ってる青色好き過ぎる子? でも……絶対強いというオーラをびんびん感じるよ。

 

「何を見ている? 言葉が分からんのか」

「いや、身がすくんで言葉が出ねえ」


 事実だ。



「貴様、どっちの者だ?」


 意味が分からんが、この国の者か敵外国部隊かって意味か?


「どっちでも無いよ。遠い外国の冒険者バイトでここに来てみたら、悪人に捕まって偽金運びをさせられて、怖くなって深夜に乗じて逃げようと」


 出来る限り真実を言った。なんか読心術とか持ってたらヤバイから。


「ふん、嘘は言ってなさそうだ。確かに凄く弱そう……嘘を言う理由も無いな」

「アンタ、もしかしてこの国の騎士とか?」


 ワンテンポ間が開く


「………………そうだ。この国の姫を救出に来た。何か知らぬか?」


 確実に嘘っぽい。なんか怪しい気が。


「えっあの報奨金1億エピのお姫様ですか? いや、それはちょっと知らないよ~」


 俺の迫真の演技、通じるか!? 彼女は俺をじろりと見る。緊張の瞬間、しかし唾は飲めない。



「お前からは何のオーラも迫力も感じない、本当に三流冒険者で何も知らぬ雑魚が逃げる途中……だな。では行け」


 ちっ偉そうに……まあ八割当たってるけどさ、でも顔には出さない。


「良かったその通りなんだ。だけどさ、こっちの出口には外国の部隊がいっぱいいるよ」

「そんな事は知っている。今から倒しに行く所だ、お前はもう行け!」


 なんだよウザそうに言って。一人であれだけの部隊を倒せるのかよ?


「へ、へい……では」


 よー分からんが、助かった~~~。



「もうアイツ居ないよな?」


 グリッ

 小岩を回す。

 ガガガガ

 扉が開く音にビク付きながら、俺は寝かされる姫さんの元に走った。

 ペシペシ

 寝ている姫さんの頬を叩く。カッと驚いた様に開く瞳。


「さぁ、助けに来てやったよ」


 シュルシュルパサッ

 サルグツワと縄を解く。


「そ、ソナタ、なにもの……」


 俺は口に手を押し当てる。


「シッ、無事に逃げたきゃ、静かについて来なよ」


 俺は背中を向け、秘密部屋の入口に向かい周囲を確認した。


「よし、出れそうだっ」


 バキャッ!!

 突然後頭部に激しい衝撃を受けた……遠のく意識……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ