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荒い歓迎、


「王よ我らも必死に奮戦しておるのですが……」

「言い訳は良いわ! お前ら貴族なぞ何の役にも立たぬわ。今から全員走って戦場へ行くのじゃ!」


 ガシャンッ!

 ひッ今何か投げやがったな。


 カピパララインの王様、ファニーの父親は親バカな部分はあるけど街は平和で国民も穏やか。それに対してゼブランド王ってワンマンタイプなのかな? ちょっと怖いけど聞くしか無い。


 そ~~

 俺は運よく開いている窓から言い合い続く執務室に入ってみた。

 シュタッ


「あの~ご歓談の最中申し訳無いのですが……」


 ビクッ

 という音が聞こえそうなくらいに俺の登場に驚く王様と家臣達は、まるで夜の街角で出会った野良猫の様にカッと目を見開いて一斉にこちらを見た。



「何じゃ貴様は、どうやって入って来た!?」

「くせ者ーーっ!」

「フュリオス・エクスプロードッ!!」


 王様と家臣と宮廷魔導士が三者同時に叫んだ。


 ドシュシューーズババババ

 眩い火球が飛んで来て、銀化し仮面を着けた俺の身体にヒットして行く。

 ドドドドーーーーーンッ

 とたんに激しい爆発と煙で前が見えない。


「あ、あの怪しい者では無いのですが……」

「撃て撃てーーっ」 「弓も射よーーーーーっ」


 シュバーーカキンカキンッ

 俺はラチが開かないから、攻撃と煙をかき別けて前に進むが……


「あのーちょっと?」


「ヒッ攻撃が効かない!?」 「王を守れーっいやっ脱出だっ!」

「我が城から脱出出来るかっ」


 シュババババーーッ

 その間も俺の身体には雨あられと攻撃が降り注ぐが全て簡単に弾いてしまう。あっちこっちに飛び散る火球攻撃……止めないと落城するぞ?


 ドドーーンドーンドォーーーーン!!

 俺は攻撃を受けながら親切に火の粉を踏んで消して回る。

 タシッタシッ



「魔法攻撃が一切効きません!」

「ビスマスだっビスマスが来たぞーっ」 「逃げろぉーー」


 へ?


「色が違うではないか!? しかも男に見えるぞっ」

「しかしあの雰囲気は完全にビスマスですぞ、城を放棄しませんと」

「バカを申すなっ!」


 いや折角来たのにここに居てよ!?

 

「だから城放棄すんなって、俺はビスマスじゃないぞゴラーーッ!!」


 シィーーン

 俺の魂の叫びで攻撃は止んだ。


「そなた本当にビスマスでは無いのだな?」

「確かに色違うでしょ! 奴は青色で俺は銀色っビスマスでは無い!!」

「確かに……」


 最初に気付いて!?


「しからば何故ここに来たのじゃ?」

「ゼブランドとアルパカインゼットの戦場に知り合いがいて、救いに来たんだ!」


 シィーーン


 ひそひそひそひそ、ひそひそ

 うっ王様がこちらをチラ見しつつ、家臣達が耳打ち。なにやら必死に相談してるけど早くしてー。

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