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闇からの声に


 ポカッ


「痛い」

「何が耳より情報だい、余計話が難しいだけじゃないかっ!」


 いきなりクヌアーが代官さんの禿げ上がった頭を叩いた。良い音がしたな……


「捕縛者への暴力厳禁だよ。いや、俺には耳より情報だったよ、色々と事前に策を講じる必要が出て来た。前代官さんありがとうよ……」


 俺は頭を下げた。


「では、ワシは無罪放免に!?」


 俺はコケた。


「いやゴメンそれはムリ」

「ええい分かったら馬車に乗りなっ」


 ズリズリ

 

「いやーーっ」


 ゴロとツキーが次々に捕縛者を馬車に乗せて行く。俺も急いでファニー王女当てに要請書を書かなくっちゃ!



 ー夕方

 既に俺が書いた手紙を持ったクヌアー達は馬車で出発していた。


 コールディは気絶したままだったが、途中で暴れたりしないか本当に心配。でももし次クヌアーに乱暴でもしたら、今度こそ命を絶つ。


「わぁーこのお屋敷って本当に広いねっ上はこうなってたんだっ」

「いっぱいお部屋があって迷っちゃう!」


 前代官館を探検していたゴブリィとファンヌが戻って来た。


「でももう夕方よ帰った方がいいわ」

「これからはいつでも遊びに来れるしね」


 ゴロはマリが嫌がって今晩は村民の家に泊まる。


「おや~マリさんと領主さま、今晩は二人きりですねクヒヒ」

「ちょっとゴブリィ変な事言わないでっ!」


 どバシッ

 ゴブリィが頭を叩かれる。本当に耳年増だな……でも明るくなって良かった。


「お休みなさい」 「パパをお願い」

「うん、任せて!」


 二人を見送ると本当に二人きりになった……俺達はドキドキの夜を、何て事は全く無い。



 ジャラッ

 目の前には沢山の金が。


「しめて3120万エピか。120万はせめて村の為に残そう」

「高そうな調度品やインガリットのドレスに毛皮宝石なんかもあるけど、換金するのに時間掛かりそうねえ」


 俺達にロマンチックな事など無く、いきなり二人で金勘定だった。


「彼女のドレスまで売るのは可哀そうだよー」

「おーいガケから落とされたのよ?」


 むむむ、なるべく早くお金用意しないと。


「でも今日はもう疲れたよ、明日考える」

「じゃあ、もう今日はそれぞれの部屋で寝ましょうか」

「ハイ、それぞれの部屋で寝ます!!」



 そしてマリはインガリットの部屋に入り、俺はゲストルームで寝た……

 バチッ

 目が覚めた! 


 それから深夜になっても寝れず、俺はマリの部屋の前に立っていた。カン違い無き様に、当然にお金の心配にアルフレッドの事も悩ましくて、彼女に相談がしたくてだからな!


 スッ

 俺の手は無意識にノックしようとする。


「何だ、深夜にレディの部屋に忍び込むのか?」


 うっ!?

 背中の闇から声がして、ドキッと心臓が止まりそうになる。でも聞いた事ある声の様な??

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