開幕はゆるりと
新連載です。
よろしくお願いします。
ここは“怪盗”が合法化されている世界、“ナイトシーフ”。
それだけ聞くとそんな馬鹿なって思うだろうね。
でも実際そうなんだから仕方ない。
治安悪そう?
ノンノン。
ここで許されてるのはあくまで“怪盗”だけだ。
“華麗に、誰も傷つけることなく、予告通りに”
この三ヶ条を守れなければ、それはただの“こそ泥”や“強盗”だろう?
そういうナンセンスな奴らや他の犯罪者は当然罪に問われるし、裁かれる。
ちなみに手口が毎回同じだったり、証拠を残したらもちろん捕まるよ。
だってそれはもう“華麗”とは言えないでしょう?
怪盗に“美学”としての制限があるように、それを追う警察にも3つの大きな制限がある。
一つ、予告日以外、怪盗を捕まえてはならない。ただし、予告日前に下準備中の怪盗を見つけた場合を除く。
一つ、怪盗に対しては“Alive Only”。殺してはならない。
一つ、あくまで正義として迎え撃つこと、捕まえる為に悪どい手は使わない。
…まぁ互いにそんな感じだし、基本予告日以外は捕まらないからって、一部の怪盗は警察と親交があったりもするぐらいなんだ。
アジトの場所を警察に公表してる怪盗もいるね。
…え?アジトを教えるメリットが怪盗にないじゃないかって?
まぁそう思うだろうね。
けどそれがこの世界では時としてメリットになるんだよ。
例えば、百戦錬磨の怪盗だったりすると手口が華麗すぎて、まるで魔法みたいに盗ってっちゃうことがある。
そうなると警察側の困ることが…。
報告書を作れないんだ!!
警察も仕事でやってるからね。
報告書に「何が起きたか分からない内に気付いたら無くなってました。凄い手口でした。」なーんて子供みたいな文章は書けないんだよ。
…という訳で警察は時として恥を忍んで怪盗本人に聞かなきゃならないのさ。
どうやって盗んだのか教えて下さい!ってね?
じゃあ、そんな怪盗と警察の関わり合いを見ていこうか。
きっと面白いからさ?
順次更新予定です。