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1000字短編集

労働基準法なんて飾りです。ブラック企業に勤める私の労働時間は週90時間です

 俺は田中、しがないサラリーマンをしている。

 毎朝六時に起きて支度を始め、すし詰めの満員電車に乗って出勤だ。就業時間は朝の7時半から夜10時までそれを週六日。明らかに労基をぶっちぎっているがそれにツッコム気力は残念ながらない。そんなことに労力をさくなら少しでも体を休めたい。


 ガタン


 電車が揺れて目が覚めた。吊革を握ったまま寝ていたようだ。立ったまま眠れるとかずいぶん器用になったものだ。

 窓の外を見れば知っている景色で安心する。社会人なのに寝過ごして遅刻したなんて笑えない。

 ほっと一息ついていると、電車が駅に停車し老人が入ってきた。席は満席で誰も譲らない。俺は大きな荷物横に置いてる野球帽の被った男に声をかけた。


「その荷物どけてもらえませんか?」


 案の定無視される。

 そこで荷物を強引に床に下ろそうと手を伸ばすと男は過剰に反応した。荷物を持って電車から下りていった。なんだろう。


 会社についてまずやることは支給されてる制服に着替えることだ。黒のスーツに黒のシャツ、ズボンも黒。下着や靴下まで黒である。最後にサングラスをかければちょっとヤバい人の出来上がり。


「部長、外回り行ってきます」


 出勤してからの滞在時間は十分ほど。

 全身黒づくめの姿で街にくりだす。入社したてはこの格好で外に出ることに抵抗感を覚えたがもう慣れた。


 朝の繁華街は比較的穏やかだ。しかしいたるところゴミが落ちている。俺はそれを拾ってゴミ箱へ。駅前ということもあり路上駐輪も多い。点字ブロックの邪魔にならないようちゃんと整列させる。

 気づけばもう昼時だった。

 メシを食べに行く道すがら歩道橋の前で困ってるお年寄りを反対側まで運ぶ。

 安い早い美味いの牛丼屋で腹を満たしていると店内のテレビで速報が流れた。立てこもり事件らしい。現場はすぐ近くだった。

 俺は急いでご飯をかき込むと、お金を置いて店を出た。


 立てこもり現場の銀行では男が爆弾を持ち込んでいるらしい。人質は数人。警察は刺激しないよう説得にあたっていた。

 俺は警戒線を超えて中に入る。

 犯人は若い男で野球帽を被っていた。朝の男だった。

 俺はさっそく爆弾の解除を試みる。犯人は俺に気づかない。それは制服のおかげだ。この黒づくめだと他の人は俺の行動を受け入れる。

 爆弾を無力化した俺は銀行を後にした。あとは警察の仕事だ。


 誰にも気づかれず、人びとの暮らしを陰から支える黒子の企業。

 毎日ヘトヘトになるけど俺はこの仕事が好きだ。

あまり推敲もせず短時間で書いたので粗があると思うけどたまにはこういうのも悪くないだろう

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