戦略魔法士のお仕事
俺が最初にここにやってきたのはかれこれ10年前。既に異世界魔法派遣会社(黒)より出向を命じられ地球本社から第983246号異世界特地へと派遣された。
この会社は地球世界が魔法が秘密裏に運用されるようになってから設立され、こぞって超脳者の開発が挑まれた。特性のある超脳者は本社に置かれて、地球世界における代理執行が行われていた。他でもなく戦争の代理である。表向き、戦争は軍やそれが秘密開発したとされてる兵器によって想像絶する戦場の惨状、何より、特異的ともいえる戦場の革新性をも演出したとされるが、実態は戦略魔法士と呼ばれ、我々のような人間が秘密兵器と共にその相乗的な連結効果によって、戦闘を遂行してるものである。
魔法士は主に時間線と呼ばれる、現実改変、現実決定をもつて、その現象、すなわち運命性を決定する。当然、魔法士は普通の時間軸とは別の世界に接続して、その地点から、自在に現実決定を行えるわけだ。
「ふぅ・・・。」
だが、それは上位、純粋物とも呼べる最優秀の魔法士のみだ。俺のような底辺魔法士ともなると、もはやその【魔術】性を含んだ運用など不可能だった。私ができることといえば・・・・。
「音を一切発しない、【“潜水艦”】」
「なるほど、それで投影技術なしでも、現象を観測して、軍隊を運用し、絶対優位性を確保するための時点地点を向かわせて、【数字価値】武装を行わせる。と。」
かねてより、既に先遣された魔法士たちの実績が彼らを信頼へと導いた。まさに熟練にして人格性極まった魔法士ゆえん様様である。
「正直、いないよりマシだ。実際、君たちがいなければ、この零細国家があの超大国相手にここまで領土を拡大できた事は世界史上まず事例を見ないわけだし。」
と、まあ、先遣者たちのおかげで、私の地位は保障される形となった。
「用意された宅地に帰ってくれば、早速、過去の戦闘データを情報処理しなくては・・・。」
私にできることは、というか魔法士の原則である。現象を数価に戻した象意。つまり現象、どうしてこのような現象が起きたか。特に損傷、損害が激しい船舶や軍などの問題を全て、次元線的に洗い出して、それを防ぐ。