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第二十二話 顔合わせ 


ーー


 アイリスから計画の全容を聞き、俺は街を歩きこの街における拠点を考える。


「金が勿体ないが少し高めにするか。安いとレオナからの文句が怖い」


『あれでいて年頃の女じゃからのう。で、そのアイリスとかいうお姫様も連れて行くのか?』


「仕方ないだろ、パーティメンバーの能力は自分の目で見ないと安心できないって言うんだから」


 本当は依頼の話を俺からアーノンたちに伝えて、その後で顔合わせをしてもらうつもりだったのだが、そもそも俺たちのパーティに問題がないかを直接確認したいのだという。


 確かに、リスクが伴う依頼であり、メンバーに万が一不安要素があれば失敗しかねない。

俺の感覚ではあの二人なら問題ないとは思うのだが。……アーノンは確かに少し不安が残るかもしれないが。


「それにしてもすごいですね意思を持った刀なんてのは初めて見ました」


「ああ、これは身内にしか知らせてないことだから秘密にしておいてくれよ。あとこいつは基本うるさいから無視してくれて構わん。言ってることも話半分に聞いてくれ。ボケてるから」


『ボケてないのじゃ!主人はひどいのぅ』


 アイリスには龍神刀クリカラーンのことは伝えてある。見た目からしてただの錆びた刀だから、とりあえずはテレパシーのできる刀としか伝えてないが。



 街を歩いていると遠くでアーノンとレオナが武器屋を覗いているのが見えた。

アーノンが自身の身長と同じくらいあるサイズの大剣を構えている。

普通の人が使えば機動力にかけるような代物だが、あいつくらい筋力があれば使えるだろう。俺としてはもう少し扱いやすい武器にした方がいいと思うが。


「俺のパーティメンバーを見つけた。合流するぞ」


「え?どこでしょうか?」


「あそこ」


「遠すぎて見えないのですが……」


 俺が目に少し力をこめれば龍眼のおかげでかなり距離の離れた対象も見える。

さすがに魔の聖女もそういった能力は持ち合わせてないか。



「アーノン」


「あ、レイ!見てくれよこの大剣!珍しい炎竜の骨を使って作られた業物なんだってさ!いい値段したけど買っちまった!」


 馬鹿なのかこいつは。隣のレオナの様子を見る限りかなりの大金をつぎ込んだようである。


「使いこなせるのか?」


「当分は狩りに使いつつ、対人戦でも使えるように修行するさ。相手は頼んだぞ、レイ」


 こりゃクリカラーンで修行に付き合ったら一瞬で粉々になるな。『さすがにそれはやめてほしいたも~……え。ほんとにやらないよね?』


「まあいい、俺たちに依頼だ。拠点とする宿もあたりをつけたし、移動して話を進めるぞ」


ーーーー



 アーノンたちを探しながら見つけた宿にチェックインし、俺とアーノンの部屋へと集合してもらう。ちなみにレイアは別部屋だ。値段も少しお高めにしてあるので文句は一切なかった。


「今回の依頼人であるアイリスだ」


「よろしくお願いします」


 認識阻害のローブを外したアイリス印象的な黒髪をさらけ出す。

この世界ではブラウン系の髪の毛が主流で、後は魔法の属性や血筋など様々な要因で変わるらしい。俺のはなんだかよくわからんが先祖に銀髪の人でもいたのだろう。


 つくづくファンタジー世界に転生したんだなと思い知らされる要素の一つではあるが、もうこの世界で生きて十六年だ、違和感はあまり無い。ん?あれ実年齢は四十こえてるのか?



「えっ、リストレイア姫じゃない」


「やっぱレオナは知ってるか」


 アイリスの顔を見たレオナはすぐに反応をする。

認識阻害のローブがしっかりと効果を発揮していたということだ。

ちなみにアーノンの竜眼では認識阻害は見破ることはできず、へぇ~と何か感心している。


「え、えっと顔だけはね。にしてもお姫様が依頼なんて……噂ではリストレイア姫は重い病気にかかっていると聞いたことがあるけど」


「その噂は嘘です。……その件も今回の依頼と関わってきます。レイボルト様、お仲間様は問題ありません、依頼内容を共有していただけますか」


 二人の実力は見ただけである程度理解したのだろう。

先ほど俺に話してくれた依頼内容を共有するように言われる。



「二人とも、驚くなよ?今回の任務は正直、かなり危険なものとなる。参加するかどうかは個人で考えて決めてくれ」



 そう前置きして、俺はアイリスに依頼内容を話すよう頼んだ。

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