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プロローグ

20××年 日本


 男は5連勤を終え、帰宅する途中であった。

プロジェクトの本番が来週に控えており、時間もすでに深夜へと突入している。手早く駅近くの牛丼屋で夜飯を済ませ、マンションへと向かっていた。


 今回のプロジェクトは自身の昇進がかかった非常に重要な案件だ。特に突出した特技があるわけでもないが、彼は非常に現実的かつ強気な姿勢でそのプロジェクトを引っ張っていた。まだ20代後半であるが管理職層からは一目置かれた存在だった。



 自身の城とも言えるマンションが見えてきた。徒歩5分、20階建、賃貸ではあるが非常に満足している。同居人、彼女、共にいるわけではないがそんなもの知るものか。人を愛したことが無いわけではないが、今は自分の人生の基盤作成に最も重要な時期。他のことに気を散らす余裕なぞないのだ。


「ん?なんだあの犬」


 もうすぐ玄関か、といったところ、マンションの前の通路に真っ白な毛並みの犬がいた。首輪も付けているし、どこからか逃げ出してきたのだろう。


「このマンションはペット禁止だから他の家か?こんな夜中に逃げ出してるとかどうなってるんだよ」


 マンションの通路へと渡る信号待ち。深夜だから車が通ることは少ないが、この辺りは交通量は多い。さらに自分の城の前に犬がいることの面倒さから、信号をわざわざ待っていた。


「…っおい!!」


 白い犬が急に道路へと飛び出した。

そして男はーーーーーー




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


『魂の測量……完了。個体名【龍河りゅうが 令介れいすけ】。適応種族を検索……【龍人族】を提案、適応率86パーセント……転載実施許可……承諾。龍人転生……完了。輪廻から外れますが宜しいですか?……承諾を確認。エラー、能力の制限を確認。……成長とともに解除、クリア。』


 なんだ?


俺はシンダのか?


脳に響き渡る機械音声が非常に不愉快で、自身が死んでいるのかさえ分からなくなる。

 

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