04勇者召喚!
「よくお越しくださいました勇者様方! 我々をお助けください。 」
...何処だここは?
周りを見ると3人も居る。
状況を確認しよう。
俺は遠導 希輝 (えんどう ひかる) 18歳
背は180を超えており元野球部。 顔はいい方ではないか?何度か告白もされた事がある。
「ありのまま今起こったことを話そう。
卒業式の帰りに突然魔法陣のようなものが現れ気が付いたらここに居た。
何を言っているか分からねえと思うが俺も何をされたのか分からねえ。 頭がどうにかなりそうだ。 催眠術だとか超能力とかそんなちゃちなもんじゃ断じてねぇ。 もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ。 」
「希輝...お前この状況を楽しんでね?楽しんでるよな?」
こいつは山上 大樹 (やまうえ たいき) 保育園からの付き合いだ。
身長170位で爽やかな青年。 女子からは人気で毎週位の勢いで告白されてるんじゃ?まぁ好きな人が居るらしいが。
「ふっ、 当たり前だろう。 こんな意味わからん状況を楽しまんでどうするのだ。 それよりもお前もだいぶ落ち着いているな。 」
「そりゃあ少しはこの手の話を知っているからな。 誰かさんのおかげで。 」
そう俺は最近ラノベにハマり、 こいつにも何冊か勧めたのだ。
「ちょっと! ここどこよ! 誰か説明しなさいよね! 今すぐで良いわよ! 」
「お前は落ち着け香織。 ここが何処かなんて分かるやつがいる訳ないだろ。 」(大樹)
こいつは立花 香織 (たちばな かおり) 。 少し頭が残念だが悪い奴ではない...はず。
身長170位でつり目の気の強そうな顔。
「...ねぇ」
と言いながら俺の服の裾を引っ張ってきたのは木下 悠里 (きのした ゆうり) 口数が少なく大人しい性格。 身長160行ってないかな?位。
いつも眠そうで垂れ目。
「どうした?悠里。 」
「...あれ」
と指を指している方を向いて見ると女の人が居た。
黒を基調としたドレスに身を包み身長は150位か?まだ子供のようだ。
こちらが気付いた事に気が付いたようだ。
「...よくお越しくださいました勇者様方!
我々をお助けください。 」
「勇者様...ね。 それでここはどこなんだ?」
「そうよ! 知ってるなら早く教えなさいよ!今すぐでいいわよ! 」
「...大樹少し香織の相手をしていてくれ。 それでここはどこなんだ?」
「はい。 ここは私の父が治めるノワール王国。 そして私はこの国の第一王女のヴィスティ・ノワールと言います。 」
ノワール王国か...聞いたことないな。
「それで助けてくれってのはどういう事だ?」
「はい。 今この世界は魔王によって脅かされております。 魔王は人間を殺し魔族の世界を作ろうとしているのです。
しかし私たちは例え相手が魔族であろうと共存をしたいと思っているのです!
そこで魔王を倒しこの世界を救ってほしいのです! 」
と大きく身振り手振りしながら話している。
成程、 読んだことがあるぞこれは! しかし
「成程、 しかし魔王を倒すだけでいいのか?魔王を倒したところで魔族は止まるのか?」
「はい。 魔族と言うのは強さが全て、 なので皆魔王に付き従っているだけなのです。 なので魔王さえ倒せば世界は救われるはずです! 」
成程、 それなら魔王を倒せばいいな。
「しかし俺たちで魔王を倒せるのか?言っとくが喧嘩すらまともにしたことが無いぞ。 」
「そこは大丈夫です。 勇者様方はこの世界より高いステータスを持つと言われております。 」
お?ステータスって言ったぞ。
「ステータスってのはどうやって知るんだ?」
「?あなた様方の世界にはステータスは無いのですか?心の中でステータスと言ってみてください。 」
ふむ。 とりあえず (ステータス)っと。 お?
エンドー ヒカル (遠導 希輝)
種族 人間
Lv.1
HP300/300
MP100/100
STR60
DEX50
VIT40
INT40
AGI40
MND40
LUK 10
スキル
言語理解
火属性魔法Lv.1
水属性魔法Lv.1
風属性魔法Lv.1
土属性魔法Lv.1
聖属性魔法Lv.1
聖剣スキルLv.1
固有スキル
オーバーロード
称号
【異世界から来た勇者】
となっていた。
「皆様見れましたか?」
後ろを見ると皆確認していたようだ。
「ああ俺は見えた。 」
「こっちも全員見えたよ。 ちなみに皆Lv.1なんだけど平均ってどれ位なの?」
「平均はLv.1だとHPが100MPが50その他がオール20ですね。 」
お! と言うことは俺は他の人の2倍は有るらしい。
「では皆様のステータスをこの紙に書いてもらってもいいですか?」
「良いですよ。 」と言って書き始めるが。
「?その文字は何ですか?異世界の言葉でしょうか?」
...どうやら日本語は通じないらしい。
何とかならないかな。
「おい! 希輝。 」
「なんだ?」
「ステータスの言語理解の所を触ると色々と設定できるみたいだぞ。 」
と言ってくる。
触ってみる。
すると言われた通り色々出てきた。
翻訳する言葉としない言葉が選べたり、
自分が書く言葉を選べたりするらしい。
とりあえずこの世界の公共語というのを選んでおいた。
少しステータスを書く。
「ヴィスティさんこれで読めますか?」
と見せてみる。
「あっはい! これなら読めます。 」
書いていく。 皆書き終わった。
「凄いです! 全員が闇以外の全魔法を使えます! 普通魔法は1つか2つなのに! エンドー様とカオリ様が前衛でキノシタ様が援助、 ユーリ様が回復とバランスも取れてますね! 」
とヴィスティは笑顔で言ってきた。
「皆すまんな俺が勝手に決めちゃって。 でも困ってる人は見過ごせなかったんだ。 」
「ああ知ってるよ。 お前はそういう奴だ。 俺はお前の決めたことなら信じるさ。 」
「希輝が決めるのはいつもの事だしね! 気にしてないわ! 面白そうだしね! 」
「...私は希輝が決めたなら...付いてく。 」
「皆...ありがとな。 それで俺達はこれからどうしたらいい?」
「はい! とりあえず私の城に来て頂きます。 そして皆様がいくら勇者と言えどまだLv.1なのでレベル上げを行ってもらう事になると思います! 」
「では案内してくれるかな、 その城に。 」
「分かりました。 では少々お待ち下さい。 」
ヴィスティさんはそう言うと部屋から出て行った。
すぐに戻ってきてメイドさん達を連れてくる。
「では、 こちらにどうぞ。 」
とメイドさんに言われた通りに部屋を出ていく。
そして俺達の冒険が始まるのであった!
なんてな。
「馬鹿な連中だ。 誰があいつらとの共存なんて望むか。 せいぜいこき使ってやるわ。」
誰もいない部屋でノワールが呟くその声は誰にも聞かれることは無かった。