考えると怖い『VRMMOが実現した世界』
VRMMOモノ、好きです。
ライトゲーマー歴うん十年の私としては、こんなゲームやりたいなーという気持ちで読んでます。
で、それだけでは飽き足らなくなり、『自分の考える、もっともやりたいVRMMO』を考えてみようかな、などという気になってきました。
が、これがなかなか難しい。
だって、自分で考えると、どんどんゲームから外れていくんですけど。
VRMMOに辿り着けないんですけど。
……というわけでいまだ目的の『もっともやりたいVRMMO』は考えられてません。
が、途中経過で考えたことがもったいないので書き留めておこうかと思います。
①VRMMOのハードについて考える……あれ、違うものになった。
自分がやりたいと考えるVRはやっぱり、なろうでよくあるような視覚以外の五感も反映されるタイプのものですね。
で、そういうフルダイブ型のVRを現実化するには、
・自分の体を動かすように(コントローラー入力などなしに意識しただけで)アバターを動かす
・その際、本来の自分の体は動かさない
・自分の体で体感してない情報を、五感で感じる
・その際、本来の体の情報はシャットダウン、もしくは感じにくくする
ことが必要なんじゃないかと思います。
で、人の脳・神経の動きは微弱な電気信号だと聞いたことがあります。(間違ってたらごめんなさい)
だから、フルダイブ型のVRを実現するにはたぶん、
1.五感および体を動かすに相当する微弱な電気信号をすべて解読し、どういう信号がどういう体の動きに対応するかをすべて正確に把握
2.VR機で脳→神経への信号をすべて受信
3.VR機から、VR内の五感に対応する信号を、本来の体からの信号と見紛うレベルで脳へ発信
4.2・3の際、本来の脳→神経、神経→脳の信号を阻害
という機能が必要なのかなと思うんですが……。
まず、私の想像力では、1を実現するためには人体実験が避けて通れない!
だってどの体の働きがどの脳の信号なのかを正確に把握、ですよ?
脳みそ取り出して計測する図しか思い浮かばない!
……落ち着きましょう。
昔、人の臓器を調べるのは腹を裂くしかなかったけど、今ではレントゲンとかでも可能です。
未来技術なら、脳みそ取り出さなくてもそのあたりを計測できる装置ができてもおかしくないでしょう。うん、おかしくはない、けれど……。
……やっぱり、その装置が計測した値が正しいかって、直接脳みそ計測した値と比べてみないと実用性ないですよね。
計測装置を実用化するためにはやっぱり人体実験が必要じゃないかー!
えっ、待って待って。
現実世界の延長線上で、脳みそ取り出す……までしないとしても、頭蓋骨開いて脳を直接計測するような人体実験をOKとする世界観ってどんなものですか。
医療目的でそこまで危険なことする気がしないし、軍事目的でそこまでやっちゃう世界って呑気にゲームしてる場合じゃない気がするのは気のせいですか。
……これ、すでにVRMMOモノじゃない話になってる気が……。
②あなたの世界と私の世界は同じですか?
話が進まないので、とりあえずご都合主義で1はなんとかできたとします。
つまり、脳のどういう信号がどういう体の動き・五感に対応するかをすべて正確に把握できました。
でもちょっと待ってください。
これ、万人が同じ信号なんでしょうか。
なんか人によって差異がある気がするんですけど、それをゲームではどう整合性つければいいんでしょう。
例をあげます。
カレーは甘口しか食べられない、中辛なんて口に入れたら口から火が出る! というAさんと。
俺を満足させたければ最低でも辛さ十倍カレーを持ってこい! というBさん。
この二人が、バー〇ントカレーの中辛を食べた時の味覚の信号は、同じものなんでしょうか。
北海道に住んでて、気温が零度前後でも薄着で外をウロウロできるようなCさんと。
沖縄に住んでて、冬でも最低気温が十五度以下にならないことに慣れてるDさん。
この二人が、温度十度の環境にいるときの皮膚感覚の信号は、同じものなんでしょうか。
……同じ気がしないんですけれど。
これは、自分の感覚的なものなので、異論はありだとおもうのですが。
五感に対応する信号って、絶対値じゃなくて相対値だと思うのですよね。
具体的にいうと、ゲーム内で 『ほどほどの辛さのカレー』 を設定したとします。
これを前述のAさんが食べた場合、Aさん基準のほどほどの辛さイコール甘口カレーと認識し。
Bさんが食べた場合、Bさん基準のほどほどの辛さイコール辛さ十倍カレーと認識するんじゃないでしょうか。
これが正しいとすると、『現実世界と違和感の無いVR世界』を設定するのがちょっと難しい気がします。
例えば、ゲーム内で、『この地方はちょっと寒い地域』設定をしました。
前述のCさん的に『ちょっと寒い』となると、皮膚感覚として零度前後になるとします。
Dさん的には十五度くらい。
さて、この地域で、水たまりの水は凍っていることにするか否か。
Cさん的には、感覚からいうと水たまりの水は凍ってないと違和感があるんじゃないでしょうか。
でも当然、Dさんとしては凍ってたら違和感。
当然、違和感が出そうなのは気温だけじゃなくて、朝焼けの色とか、森のにおいとか、海水の味とか。
感覚値が絶対値でないなら(そして人間の感覚が絶対値とかないだろうって思う)、どうしたってゲームで設定した値が各々の思っている感覚とずれる可能性は随所に出るでしょう。
……コンフィグ作ればいいのかな。
明るい、暗い、暑い、寒い、熱い、冷たい、などなどを最初に各自すり合わせすれば何とか……?
それでもやっぱりどこかに違和感は発生しそうな気がするけれども。
③それって心読まれてませんか?
感覚的な問題も、コンフィグですり合わせて何とかできたことにしましょう。
次に考えるのは、2。VR機で脳→神経への信号をすべて受信、です。
……って、これ、実現していいんですか?
VR機で脳の信号すべて読まれてるって、個人情報どころの話じゃないですよね?
しかもこれ、VRMMOにする前提。
つまり、この情報はクローズドではなくゲーム会社のサーバーへ送られるんですよ。
現在のパソコン環境ですら、OSのアップデート時に情報抜かれてないかとかウィルスソフトで情報抜かれてないかとか話が出るのに。
直接脳の情報吸い上げられる環境作って、しかもその情報はどこかの会社に渡す前提とか、情報セキュリティどうなってるんでしょうか。
え? ゲーム内アバターを動かす情報を渡してるだけだ、って?
つまり、現代でいうコントローラーやキーボードの入力情報を渡してるのと何が違うのか、って?
そうですか?
それだけの情報しかVR機が読んでいないとしたら、VRMMOモノでよくある『魔法の無詠唱発動』とかできなくありませんか?
まぁこれは私の解釈なので、異論がある方がいるかもしれませんが。
VRMMOモノでの『魔法の無詠唱発動』の習得イメージはこんな感じです。
・当初は、決まったフレーズの呪文、もしくは魔法名を唱える(決まった口の動きをする)ことで「魔法を使う」とシステムが認識し、魔法を発動する。
対象は視線で判定、になりますかね。
・上記の過程を繰り返すことで、システムが、この人が魔法を使う場合の思考パターン(脳の信号)を学習する。
→無詠唱が可能になる。
魔法だけじゃなくて、スキルの使用なんかも同じなんじゃないかなって思ってます。
当初は『スラッシュ』とか口にしなきゃ発動しなかったけど、熟練するとスキル名言わなくても発動できるのは、当初は口の動き読んで発動させてるけど、次第にシステムがスキルを発動する思考パターンを読んで発動できるようになるのではないでしょうか。
さて、これはシステムが心を読んでいるのとどう違うのでしょう?
そして、システムが脳の信号をチェックしてるのは当然ながら戦闘中だけではないわけで……。
……VRMMOって、ゲーム中、常に、ゲームシステムに心読まれてませんか?
それって、読まれて大丈夫なものなんですかね?
④洗脳される気しかしません……
怖くなってきたので次行きましょう。
3。VR機から、VR内の五感に対応する信号を、本来の体からの信号と見紛うレベルで脳へ発信、です。
……すみません、やっぱり怖くなるんですけど。
これが可能な場合、人を洗脳するのが簡単すぎます。
だって、バーチャルの内容をリアルと見紛うレベルで脳に送れちゃうんですよ。
例えば、VRMMOを終わらせて現実世界に戻った、というバーチャルだって見せられるんです。
VRMMO会社がVRを悪用し、ゲームユーザーを洗脳しようとした場合。
『VRMMOを終わらせて現実に戻って日常を送ってたら、家族・友人・知人に突如としてののしられ、暴行を加えられた』
『そんな日々が延々と続いた』
『そんなある日、VRMMOのシステムログをチェックしていたVRMMO会社の人が自分の様子がおかしいのに気づいてくれて、助けに来てくれた』
というバーチャルを見せれば簡単に可能なのではないでしょうか。
ここまで極端じゃなかったとしても、たとえば、『ある人を自宅前で見た』というバーチャルを挿入するだけで、アリバイ工作が容易ですし。
なんか犯罪に使い放題な気しかしないのですが。
それに、犯罪に使われなかったとしても。
自分が感じた『現実』が、本当の現実とは限らない世界って。
簡単に狂気に飲み込まれそうな気がするのは気のせいですかね……?
⑤えっ、逆らったら植物人間?!
4。2・3の際、本来の脳→神経、神経→脳の信号を阻害。
こんな技術、ゲーム機としてそこらに配布すること自体考え難いと思います。
だって、VR機からこの機能だけ取り出して携帯できるようにしちゃったら、誘拐や強盗がし放題ですよね?
ボタン一つで相手の体の動きを奪えちゃうんですよ? 危険すぎませんか?
……まぁ、どうにかして、VR機から勝手に取り出せないとか、取り出しちゃったら自壊するようにしておいたとしましょう。
でもそもそも、VR機の機能としてこの機能積んどいていいんですか?
だって、VRMMO会社がそれ悪用しないってどうして保証できるんですかね?
まぁそれをモチーフにしたのがデスゲームモノなんでしょうが。
そんな犯罪を容易に可能にしちゃう技術を、ゲーム機として流通させるってありえますかね?
⑥考えると怖い『VRMMOが実現した世界』
ここまでいろいろ考えてきまして。
私がやってみたい、なろう的VRMMOが、実現した世界をイメージしてみますと。
……国家規模で国民を監視・洗脳しているディストピア的未来国家しか思い浮かばないんですけどどうしましょう。
だって、『実現するためには人体実験不可避』で、『そのシステムを通せばユーザーの心の中まで監視可能』、かつ、『容易にユーザーを洗脳可能』。
その上、『ユーザーの生死すら容易に左右できる』システムを、国が一企業に安易に許可するとは考えられません。
実現したとしたら、どう考えても主導は国でしょう。
そして、そんなことを実現してしまう国が、どんな国なのかを考えると……。
……ここでふと我に返りました。
どうして薄暗いディストピア社会を考える羽目になってるんでしょうか。
私が考えたかったのは自分がやってみたい楽しいゲームなんだ!
どうしてこうなった。




