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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

夢日記「アミダ」

作者: GUO

久しぶりに嫌な夢を見た。

何が「いいからやれ」だ。

未だに右手の人差し指の違和感が取れない。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


気づくと学校の教室にいた。

恐らく中学校。

担任らしき男がそっくりだったから。

教室が緑っぽかったから。


その時に見えたもの。

教卓。黒板。横一直線に並べられた机。

担任らしき男。顔の無い数人のクラスメイト。


黒板のすぐ前真ん中に教卓と担任。

向き合うようにして、横一直線に並ぶ机とクラスメイト。

普通の教室よりもだいぶ狭く感じた。

俺は並んだ机のうち、真ん中より少し右辺りに座っていた。


今になって気付いた事だが、もしかしたら後ろにも席があったのかもしれない。

自分が一番前の席にいて振り向くことをしなかったから、それしか見えていなかったのかも。


…いや、違う。

確かに横一直線にしか机はなかった。

後ろに席なんてなかった。


俺の視点はそれより後ろにあったのだから。


俺は何かをプリントに書いていた。

焦っていた。

間に合わなかった。

机に隠した。



担任が、「アミダ」について変更があると話始めた。

どうやら、人数が一人増えたから組み直すらしい。

黒板に書かれていたものは「あみだくじ」というよりは「トーナメント表」だった。


初めに三人一組を複数作ってその中から第二段階へと進む人を決める。

話もまんまトーナメントだった。


担任は三人一組のうち次へと進むのは内二人だと言った。

俺はそれが何故か不満だった。

3人中1人を決めるのと2人を決めるのとじゃ全然違う。

その後、倍の時間かかることになる。

そんなことを考えていた。

当然だが、不満を覚えつつも口に出すことはしなかった。


暗転。


目を開けることができない。


担任が俺に何かを言っている。

俺もそれに言葉を返す。

ー 12 ー

その数字が強く頭に浮かぶ。

ー 12 ー

必死に何かを考えている。


アミダ。


12。


第二段階。


12。


三人一組。


12。


二人決める。12。


一人追加。12。第二段階。12。倍の時間。12。アミダ。




12。







アミダアミダアミダアミダアミダアミ三人一組ダアミダアミダアミダア第二段階ミダアミダアミダアミ倍の時間ダアミダアミダアミダアミ机ダアミダアミダアミダアミダ黒板アミダアミダ友達アミダアミダ三人一組アミダアミダアミ黒板ダアミダアミ机ダアミダアミダア横一直線ミダアミダアミ黒板ダアミダアミダ担任アミダアミダ一人追加アミダアミダプリントアミダアミダアミダアミダ机アミダアミダ倍の時間アミダアミダ



目を開けることができない。



……


気付くと俺は後ろのほうの席にいた。

机に対して反対向きに座っている。

机の向こう側には二人の生徒がいた。


一人は友人。もう一人は…後輩だろうか?

友人と比べ幼く見える子が座っている。

その子は何故だか泣いていた。

泣いて俺の右手を両手で握っていた。


その子が何故泣いているのかは分からなかったが、自分がこれから何をされるのかは不思議と分かっていた。


「ほんとにいいんでしょうか。」

涙で滅茶苦茶な顔をして、その子は誰かに問いかける。

俺は黙って頷いた。

「いいからやれ」

友人が答える。

その子は思いっきり力を込めた。


激痛。


人差し指にこれまで経験したことのない激痛が走った。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


今思えばありえない話だが、まあ夢の出来事だしなんでもありだろう。

あれは確かに針とかではなくシャー芯だった。


俺の右手の人差し指には爪と肉の間から奥へとシャー芯が埋め込まれていた。

人差し指を軽く曲げるとポキッと中で折れる感触を今でも覚えている。


これを書いていたらまた、思い出してきてしまった。

やっと右手の違和感が消えてきたところだったのに。


気付けばもうお昼を回っている。

休日とはいえ、いい加減起きないと。

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