第13話
祭られることがなくなった神々が次々と地上へ離れていく中でそれを止めようとする者がいた。
栄華を誇った者達がただ一人殺されなかった----10代の子供----。
その子は普通の子供ではなかった。
狼とよばれる神に育てられた子供だった。
生み親が山の中で事故にあってしまい、一人生き残った小さな子供は、動物の餌食になるものかと思われた。
だが、両親は神社の神主だった。
それが、その子供に幸運を与えた。
大神に気まぐれな関心を与え、子供は育てられた。
その子供は知っていた。
神が一人、また一人と天へ帰っていく毎に山や木、その土地に建つ建物が死んでいくことに。
ほとんどの者がしらないだろう。
全てのものに精霊が宿る。
人が神を祭ることで、その恩恵を精霊は貰っていた。
だから、祭ることのなくなった人に恩恵が貰えなくなった精霊はそこから離れていった。
子供は止めたかった。
ものに精霊が宿らなくなるのを----。
それを止めるには終わってしまった罪を償うことしか----ない。
罪を背負うことに子供は何も思わなかった。
ただ自分を育ててくれた神がいなくなる事、自分を生んでくれた両親が望んだ神と人との繋がりがなくなる事。
そのどちらとも子供には望んでいなかった事だった。
望みを叶える為に、罪を背負うことを神に申し出た。
単純で、切実な望みに大神は、子供を気に入っていたこともあって条件を提示した。
その条件は、神子となること。
神の子供として、人との仲を受け持つこと。
そして、守る為に神の力をコントロールすること。
子供にとっては、条件はどうでもよかった。
神がいなくならない望みが叶うならばそれで良かった。
だが、その神子の力は一人の人間には大きな力だった。
否、大きすぎる力だった。
それでも、大神に育てられた子供はその力を持ったまま神と人の繋がりを少しづつ絡ませていく----。
そして、以前のようにはいかないまでも、神を祭ることが定着することを確認すると、自分の子供たちに言葉を残した。
私は神の子供として力がある限り死ぬことはないのだけれど、人の子としてしぬことを選ぶわ。
でもそれは神が望まないことだから……。
私は人として死を迎えた後、神の力として残ることにするわ。
でもこの力は大きすぎるからいくつかの力に分ける事になるでしょう。
その力を受け継ぐことになるのは私の血を受け継いだ貴方達の子孫になるわ。
100年に一度、力を操るものが生まれるでしょう。
その力は人と神を繋げる力となるでしょう。
お願いだから力に過信しないように私が語った物語を受け継いでほしいの。
私が望んだのは、ただ人と神を繋げる為に力を使うこと。
人を従わす為に使わないでほしい。
お願いだから----ね。
ふわりと微笑むそのすがたは、神々しいものだった。
び。。。微妙・・・。
書き直すかもしれません。すみません。




