第12話
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始まりはこの街、龍牙崎が生まれる前からの話になる------。
この話は有名だろう。
龍牙崎の名前の由来は、この街にある山に龍が牙でつけたかのような抉れた場所があったことから名前がつけれた。
その爪痕は神の怒りとされている。
昔、この街は寺や神社を造り神を祭り、その平穏な暮らしを得ていた。
神が街を守っていると誰もが理解していた。
だからこそ、神のおわす山を大切にしていた。
山の恵みは、神の恵みとされた。
山の木々を倒すのも必要最低限をだけしてきた。
だが、時代がそれを忘れさせた。
次世代へつなげないこと、それは人の罪だ。
人は忘れる。
そうしないと人は生きれないから……。
悲しみ--、苦しみ--。
一部の人は受け入れられないこともある……、乗り越えられないこともある……。
だから忘れる。
そして--、森が侵された。
木々が倒され、動物が殺された。
最後には、寺と神社が次々と壊されてその上にビルが建てられた。
------忘れた罪が誰が受けるのか。
忘れた人が受けることになる。
だが、寺と神社を壊されることは神も黙っていなかった。
神社は神がいれる場所。
山も神のいれる場所。
その二つをおかした。
だが、それだけでは神は怒ることはない。
人の罪が増えただけだと見向きもしない。
だが--、その時代にも神を大切にしていた者達がいた。
訴えた。
今までの平和は神を大切にしてきたからだと。
だが、栄華を手に入れていた者達には邪魔な存在だった。
神に感謝などしていないから、耳を貸さなかった。
そして、邪魔なものが排除された。
それが、神の怒りを受ける決定打だった。
そして、神は天へ昇るまで前に罪を忘れる事なかれというかのように、爪痕を残した。
店から見えるかのような大きな三本の爪痕を----。
「ここまでは、誰もが知る語り継がれている物語だな」
雪斗は一息つくように言葉を切った。
その言葉に麗が反応した。
「……そこからの物語って、神に感謝することを思い出して、再度神を祭り始めたんだよね」
「----一般的に語り継がれる締めはそうなっている。だが、これから話す物語は異なる。それが、賀茂家が守り、語り継いでいくものだ」
そして、再度長い物語を語り始めた。
続きます。はい。




