5
………
「ん?何だって?」
「だからあ、魔王の息子!!」
「ムスコ?」
「息子だって!!魔王の子供なの、僕は!!」
「へえ~。 で、何者?」
「だからああああああ言ってるでしょおおおお魔王の息子ぉぉぉ!!!」
「…」
「なっ何その疑ってる様な目!僕が信じられないの!?」
いやいや信じられねーよ。
「…そっかー…信じてもらえないのか……まあいいや!」
「…おう」
ん?でも待てよ?
普通の人間がさっきみたいにあんなオーラ出したりできるか?
風もないのに髪揺らしたり?
いやでも信じられるわけねえもんな…
「ね」
「あ?」
「さっきの僕、何したか見えた?」
ティールはやけに真剣な顔で聞いてきた。
さっきって…
路地での話だよな。
「なんかドス黒いオーラは見えたけど」
「!!! 本当!?」
「! あ あぁ…」
な 何だコイツ。
いきなり目輝かせて飛びついてきた。
「ままままさか…ここれは運命のめぐり合わせとしか…!!」
「はあ?運命?」
ティールは俺に背を向け何やらつぶやき出した。
大丈夫かコイツ?
わっけわかんね…
「ね!!」
ティールは俺の顔を見つめて言った。
「この街から出よう!!僕と一緒に旅しよう!!!」